今ではすっかりSUVと電動パワートレインに強いメーカーというイメージとなった三菱。しかし過去にはセダンもラインナップしており、フォーマルな雰囲気を持つフラッグシップセダンも存在していた。とくに初代モデルが22年にわたり生産されたデボネアも有名だが、その後を継いだプラウディアとそのロング版のディグニティも忘れてはならないだろう。
文:小鮒 康一/画像:三菱
【画像ギャラリー】また三菱 ディグニティ!? 短命でもよく話題にあがる!? 爪痕絶大な高級フラッグシップセダン!(10枚)画像ギャラリーわずか59台の生産に終わったディグニティ
22年の長きにわたって生産された初代デボネアの後、3代目まで続いたデボネアの名前から車名を一新したのが2000年1月に登場したプラウディア。そしてそのプラウディアをベースにリムジン化をしたのがショーファードリブンのディグニティということになる。
2代目から続く前輪駆動レイアウトを踏襲したプラウディアだったが、エンジンはV6 3.5Lのほか、V8 4.5Lというさらに大排気量なエンジンを新たにラインナップし、ディグニティにはこの4.5Lエンジンのみがラインナップされた。
明らかに太いBピラーからも分かるように、ホイールベースを250mm延長したディグニティは、当時の国産車としては最長の室内長を誇り、延ばされた全長はリアシートの快適性に費やされている。
こだわり内装に車体は手組み!?
リアシートは左右独立のスーパーエグゼクティブシートとなり、セダンでありながら後席用エアコン吹き出し口をルーフに備え、7インチワイドモニター付のタワー型大型フロアコンソールを備えるなど、走る応接室と評されるものとなっていた。
またリアドアにはアクティブパワーロックと名付けられたイージークロージャ―が備わり、半ドア状態までドアを閉めればあとは静かに全閉するシステムがすでに備わっていたのもさすがといったところ。
そして車体の組み上げは選ばれた専任スタッフがほぼ手作業で行い、組み立てから塗装、検査作業までの履歴は担当責任者の名前を記したヒストリーブックにまとめられ、一台一台車両ごとにまとめられて保管されるという点は、トヨタのセンチュリーと同様のものとなっていたのだ。
ここまでクオリティを追求して生まれたディグニティだったが、当時はまだショーファーカーが前輪駆動というのはいかがなものかという風潮があったことに加え、登場直後にリコール隠し問題が明らかとなったことで一般ユーザーから敬遠されてしまったのが致命的で、わずか1年ほどの期間の販売となってしまったのが悔やまれるところだ。












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