クロスオーバーという言葉はクルマ以外だと音楽が代表的だが、「あるジャンルとあるジャンルが融合したもの」という意味である。クルマであれば昔は「セダンはセダン」「スポーツカーはスポーツカー」といった明確な棲み分けであったが、時代が進むにつれそれぞれのいい部分を融合した新しいジャンル、モデルが増えてきた。クロスオーバーカーはSUVに多いが、それ以外のジャンルも増えつつある。代表的なところを紹介していこう。
※本記事は2017年3月のものです。
文:永田 恵一
写真:トヨタ、ホンダ、スズキ、三菱、BMW、ポルシェ、ベストカー編集部
初出:ベストカー2017年3月26日号
コンパクトカー+ミニバン
代表車種…タンク四兄弟(ルーミー、タンク、トール、ジャスティ)、ソリオ、ポルテ&スペイド、シエンタ、フリードなど
コンパクトカー級のボディの全高を高くすることで、ミニバンのような広い室内空間を確保。全長の長いシエンタとフリードは3列目シートを備える。使い勝手のよさで各車人気となっている。
乗用車+ミニバン
代表車種…ジェイド、BMW2シリーズグランツアラーなど
全高を乗用車に近い1600mm前後に抑えながら、充分使える3列目シートを持つ。かつては人気のジャンルだったが、現在は全高の高い古典的なミニバンに押され苦戦中。
セダン+クーペ
代表車種…ベンツCLA、CLS、BMW4と6のグランクーペ、ポルシェパナメーラなど
スタイルを優先し、全高をおおよそ1400mm台前半に抑えたセダン。もともとはカリーナEDで日本車が開拓したジャンルだったが、現在の日本車には見当たらないのに輸入車で増えているというのは皮肉だ。
SUV+乗用車(乗用車寄り)
代表車種…C-HR、CX-3、ベンツGLAなど
ジャンルとしてはSUVながら、SUVにとって重要な最低地上高は乗用車+αといったスタイル重視のSUV。
SUV+乗用車(SUV寄り)
代表車種…XV、アウトバック、ボルボのクロスカントリー、ハスラーなど
こちらはスタイルこそ乗用車に近いケースが多いが、高い最低地上高や高性能4WDシステムによりSUV並みの機動力を持つこともよくある頼りになるクルマたち。
SUV+スペシャルティカー
代表車種…ジューク、イヴォーク、BMW X4、X6、ベンツGLEクーペなど
スタイリッシュな低い上屋を載せたSUV。最低地上高はそれなりに確保されていることが多く、雪道にも強い。
SUV+高級車
代表車種…ハリアー、レクサスNX、レンジローバーなど
レンジローバーが元祖となるジャンルで、SUVと高級車の要素の優先度の折り合いで、クルマのキャラが決まる。
SUV+スポーツカー
代表車種…ポルシェマカン、カイエンなど
スポーツカーに近いスピード性能を持つSUV。全高が高いうえに車重も重いため、性能の確保には高い技術力が必要。
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