荷室の下になにもない!? オジサンあ然!! 今どきのクルマってなんでスペアタイヤ積まないのよ!!

荷室の下になにもない!? オジサンあ然!! 今どきのクルマってなんでスペアタイヤ積まないのよ!!

 久しぶりに愛車の荷室を開けたら、床下がスカスカであ然……そんな経験はないだろうか。かつて当たり前だったスペアタイヤが、いまやパンク修理キットに置き換わっている。なぜスペアタイヤは消えたのか。電動化やバッテリー搭載、コスト、燃費との関係からその理由を解き明かす!

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=hanjosan@Adobestock)、トヨタ自動車、ベストカーWeb編集部

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スペアタイヤが消えた最大の理由は「重さ」と「燃費」

荷室の床を持ち上げてみても最近はスペアタイヤがない。代わりにバッテリーやパンク修理キットが収まっていたりする
荷室の床を持ち上げてみても最近はスペアタイヤがない。代わりにバッテリーやパンク修理キットが収まっていたりする

 まず押さえておきたいのは、スペアタイヤ一式が決して軽くないという事実である。タイヤとホイール、ジャッキや工具を含めれば十数kg、場合によっては15〜20kg程度になる。たかが十数kgと思うかもしれないが、燃費やCO₂排出量を1gでも改善したいメーカーにとっては大きな数字である。

 現代のクルマは衝突安全装備や運転支援システムの搭載で重量が増えがちだ。そのなかで使う頻度の低い装備を見直すのは自然な流れである。とくにEVやハイブリッド車では重量増が電費や航続距離に直結する。数kgの差がカタログ値に響く世界では、15〜20kgのスペアタイヤは真っ先に検討対象になる装備なのである。

 つまり、スペアタイヤ廃止はコストカットだけではない。燃費規制や電動化という時代背景が大きく影響しているのだ。

電動化で床下は争奪戦!? バッテリーの居場所問題

ヤリスクロスのE-Fourハイブリッド。荷室下にはリアモーターと排気系が密集する
ヤリスクロスのE-Fourハイブリッド。荷室下にはリアモーターと排気系が密集する

 さらに決定的なのがパッケージの問題である。従来、スペアタイヤは荷室床下のいわゆる「タイヤ井戸」に収まっていた。しかし電動化が進んだいま、そのスペースは別の重要部品が占めている。

 EVやPHVでは大容量バッテリーが床下に搭載されるのが一般的であり、冷却系やインバーターなどの補機類も配置される。加えて衝突安全性能向上のための補強材や、AWDモデルの駆動系レイアウトも絡んでくる。床下スペースはまさに争奪戦である。

 その結果、「使わないかもしれない」スペアタイヤよりも、「走行に必須」のバッテリーや安全部材が優先されるのは当然の判断である。だからこそ現在はコンパクトなパンク修理キットが主流となっているのだ。

修理キットで本当に大丈夫!? 現代の合理性

パンク補修剤を使ったタイヤは薬剤が付着するため、穴埋め補修を断られる場合もある(HENADZY@Adobestock)
パンク補修剤を使ったタイヤは薬剤が付着するため、穴埋め補修を断られる場合もある(HENADZY@Adobestock)

 ではパンク修理キットで本当に十分なのか。結論から言えば、多くのケースでは問題ない。釘や小さな異物によるパンクであれば、シーラントとコンプレッサーで応急処置が可能である。加えてロードサービスの普及により、自分で路肩交換をする機会は大幅に減った。

 高速道路や夜間に、路肩でタイヤ交換を行うのは危険であるという観点も見逃せない。万一タイヤがパンクしたら、安全な場所までゆっくりと移動するのがベター。安全面からも、無理に路肩で作業しない方向にシフトしているわけだ。

 もちろん、サイドウォール損傷やバーストには修理キットでは対応できない場合がある。その意味では万能ではない。しかし、重量、コスト、燃費、電動化という複数の要素を総合的に考えれば、スペアタイヤ非搭載は合理的な選択であると言える。

 荷室の下が空っぽで驚く気持ちはわかる。だが今どきのクルマは、見えないところで合理化が進んでいるのだ。スペアタイヤが消えた背景には、電動化時代のリアルな事情が詰まっているのである。

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