西日本での大雨被害では多くの方が亡くなり、避難生活を送られている方も多くいらっしゃる。また多くの自動車が冠水などの被害に遭い、生活を支える大切な財産を失ってしまった方も多い。
まず自分の身を守るのが最優先だが、避難生活でのプライバシー確保や買い出しなどにも欠かせない自分の愛車をどう守るかに迫ります。
文:国沢光宏/写真:Adobe Stock
ベストカー2018年8月26日号
■命を繋いでくれるクルマを守るために
まずは西日本広域で発生した水害の被害に遭われた方にお見舞い申しあげます。
自動車メディア人として2018年7月6日の朝に「水没しそうな場所にある自動車は避難させてほしい」という情報をYahooニュースで提供したが微力。役に立てたとは思えない。
やはり平常時から準備をしておきたい。というのも東日本大震災の時も茨城の水害の時も熊本地震の時にも共通するのが「クルマを失うとその後の生活環境に大きな影響を与えてしまう」ということ。
クルマさえあれば寒さをしのげ、燃料供給に問題ないならエアコンだって効く。プライバシーをキープして寝ることが可能なうえ、本当に厳しい環境なら身の回りの品物を持って被災地を離れることだってできる。
はたまた、対応しているハイブリッド車を持っている場合『インバーター』という直流を家庭用の交流に変換する機器を使うことで、1500WのACをガソリンの続くかぎり供給できる(使う電力にもよるがプリウスだと満タンで2〜4日)。
ということでクルマを災害から守る方法を考えてみたい。特に注意すべきは水害だと思う。大半の人が「自分の駐車場の状況」ということについて意識してない。
この機会にぜひチェックしてほしい。最も役に立つのは、『グーグルアース』だ。無料でダウンロードできるため、ぜひお試しを。
グーグルアースを立ち上げると、画面右下に『標高』という項目が表示されている。マウスで手のマークを持っていくと、その場所の標高になる。
当然ながら絶対的な標高についちゃまったく意味なし。山のなかでも水害は起きる。問題になるのが自分の車庫と、周囲の標高差。
■川と自宅の標高差を知っておこう
私の家でチェックすると、普段生活していてわからないような「マウンド」のようにコンモリした、周囲より2mほど高い場所にある。
そして溢れた実績のある『石神井川』の橋の標高より9m高い。つまり短時間で大量の降雨あった時の水たまりにならず、長い時間降り続いた時の川の氾濫も影響ないということ。
皆さんもぜひチェックしてみたらいかがか。繰り返す。
ゲリラ豪雨のような短時間降雨時の水たまりになる可能性は、「周囲で一番標高高い場所との比較」でわかり、河川の増水による水没は「最も近い川との標高差」で予想できます
駐車場があまり好ましくない状況だったら、大雨時に避難させておく場所を普段から用意しておくこと(0m地帯なら建物上階の駐車場を探す)。
駐車料金だって一晩くらいタイした金額にならない。クルマを失うことを考えたら保険みたいなもの。
山が近い場所であれば谷筋を避けたり、被害出る前にクルマに乗って移動することを計画したい。
普段から逃げ出す時の装備を作っておくと、サンダーバード2号の如くポンポンと積み込みすぐ出発できる。
また、逃げ場所は被害が発生しなくても「楽しかったね」と思える施設を考えておく。遊びにいくつもりで気軽に避難する気持ちになれます。
そのほか、小さくてもよいので、緊急時の移動に役立つバイクなど持っていると万全。
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