トヨタ「クラウン」がこのほど、リフトアップしたクロスオーバー風になる、といった情報が舞い込んできた。これまで長きにわたって日本のセダンとして君臨してきたクラウンがクロスオーバーになる、というのは、すこし寂しい気もするが、非常に興味深いことでもある。
世界的なSUV人気が「ブーム」ではなく「定着」しつつある現在だが、ステーションワゴンをリフトアップしたクロスオーバーも、昔から根強く人気がある。スバルのアウトバック、メルセデスのオールテレイン、VWのオールトラック、ボルボのクロスカントリー、などだ。
だが、「セダンタイプのリフトアップ」というのは聞いたことがなく、クラウンは、筆者が知る限りでは前例のないチャレンジに挑むことになる。はたして、セダンをリフトアップしたクロスオーバーは成功するのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、SUBARU、Mercedes-Benz、VW、Audi、VOLVO
FFベースのAWDとクロスオーバーで再起をかける
クラウンの現行モデルは、2018年6月より発売となった15代目だ。世代を追うごとに、顧客の平均年齢も上がり、いまでは60代にも届いているという。これまでにも、顧客の若返りを目的としてデザインを変えてみたり(時にはピンク色にもなったり)、ニュルブルクリンクへ行って走行性能に磨きをかけたりと、果敢なチャレンジをしているモデルでもある。
歴代のクラウンは、おおよそ5年毎のフルモデルチェンジ(FMC)が行われており、周期が同じだとすれば、いまから1年後の2023年にはFMCとなる予定だ。その次期型クラウンは、FFベースのAWDを採用した4ドアクーペ風へと切り替わる予定だというが、「大径タイヤとリフトアップで新しいボディタイプ、全車ハイブリッドで4WD化、セダンからセダンプラスへ進化」といった情報もあり、どうやらクラウンは次期型で「クロスオーバー風のセダン」という新ジャンルにチャレンジするようだ。
当初は、クーペ風セダンのボディ後端までルーフを伸ばしたステーションワゴンをリフトアップしたものが登場するものと考えていたが、あくまで「セダン(もしくは4ドアクーペ)」のようだ。この新たなジャンルのクルマは、果たして受け入れられるのだろうか。
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