日本では、軽スーパーハイトワゴンやミニバンの人気が高いが、その軽スーパーハイトワゴンとミニバンの中間、いわゆる「プチバン」もまた人気だ。プチバンといえば、ダイハツ「トール」の姉妹車であるトヨタ「ルーミー」が売れているが、実はスズキ「ソリオ」もクルマとしての評価は高く、ユーザーからの支持も熱いモデル。これを買っておけば間違いないクルマ「ソリオ」の魅力をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:SUZUKI、ベストカー編集部
日本市場にジャストフィットするモデル
5ナンバーサイズに収まるコンパクトなサイズでありながら、トールワゴンとしての実用性、利便性を持ち合わせているのが魅力のプチバン。シエンタやフリードよりも最小回転半径が小さく、軽自動車並の取り回しのよさもありながら、普通車ならではのゆとりのある室内空間やパワーのあるエンジンが魅力だ。
ソリオは、スズキの大ヒット軽ワゴン「ワゴンR」の乗用車版「ワゴンRワイド」が前身。当時はスライドドアではなくヒンジドア車だったが、専用プラットフォームが使用された2代目(2011年登場)からスライドドアとなり利便性が一気に向上。軽スーパーハイトワゴンでは長距離移動が不安だけどミニバンは大げさ、というニーズに応えるモデルであり、日本の道路事情に適し、日本人が求める利便性が考慮された、まさに日本市場にジャストフィットするモデルだといえる。
室内高はシエンタやフリードより高く、後席もゆとりあるサイズ
現行型ソリオは2020年に登場。厚みのあるボンネットとスタイリッシュなバンパー、ヘッドライト形状、動きのあるサイドのプレスラインなど、シンプルながらディテールにまとまりが感じられ、このクラスの魅力をよく引き立てたデザインとなっており、クリーンな印象と個性をうまくバランスさせていると思う。
ソリオには、標準モデルの「ソリオ」と、デザイン違いの派生モデル「ソリオバンディット」の2種があるが、バンディットはカスタムモデルに多いスポーティさを強調しているというよりも、リッチな上質さを感じさせる仕上がりで、カスタムモデルならではの個性や存在感がありつつも、電動化時代の先進性も感じさせている。
インテリアは直線基調で実用性重視の印象だが、カラーパネルの配置やすっきりとみえるスイッチ類、ワイド感のある演出など、居心地のいい空間づくりのための工夫が織り込まれている印象。自慢の室内高は1,365mmと、シエンタ(1300mm)やフリード(1275mmもしくは1285mm)より高く、ミドルクラスミニバンに迫るサイズを確保。室内幅も1,420mmで、N-BOXの1,350mmに比べると70mmも幅が広い。165mmのリアのシートスライドや、最大56度のリクライニングと、極端に大きな数字ではないものの、後席でゆったりとくつろぎたい場合も快適に過ごすことができる。
本格的なハイブリッドシステムのほか、先進装備や快適装備も申し分ない内容
ソリオには、駆動用モーターとAGS(オートギアシフト)を組み合わせたハイブリッドシステムが用意されている。60km/h以下の一定走行時などはEV走行も可能な、本格的なハイブリッドだ。WLTCモード燃費も22.3km/Lと不満はないうえに、高速道路での合流時などで頼もしいアシストが期待できるのは心強い。マイルドハイブリッドではない、本格的なハイブリッドがこのクラスで買えるというのはソリオの大きな魅力だ。
ユーティリティの豊富さはミドルクラスミニバンに匹敵するし、安全運転支援システムもデュアルカメラ式のブレーキサポート、全方位モニター用カメラ、ヘッドアップディスプレイ、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールが用意されており、申し分ない内容。
また、サーキュレーターやロールサンシェード、UVカットガラス、PTCヒーターなど、広い室内空間を快適に過ごすための配慮も行き届いており、パワースライドドアの予約ロック機能や豊富な電源ソケット、9インチのHDディスプレイなど、ミドルクラスサイズのミニバンと比較しても決して引けを取らない充実した装備が楽しめ、快適さや実用性という面で不満は感じないはずだ。
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大人4人でも快適に移動できる空間や機能と、いざというときに頼れるパワートレインをもちながら、軽自動車並の取り回しのよさという恩恵もうけられるソリオ。税込164万円~229万円というリーズナブルな価格も良心的だ。まさに日本市場に最適なモデルであり、買って間違いはないモデルだ。
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