どこにでもいそうで意外といないって!? 「ブルーリボンシティ」というバスの不思議

■新しそうで優に古株

 ではどのブルーリボンシティが、いそうでいないのか……ごくノーマルなディーゼル仕様車だ。ハイブリッドとは対照的に、探そうとすると中々出会えないのが、ノーマルのブルーリボンシティだったりする。

近鉄バス出身。アナログの方向幕が映える沿岸バス(北海道)のBRC。2024年撮影
近鉄バス出身。アナログの方向幕が映える沿岸バス(北海道)のBRC。2024年撮影

 ノーマル仕様だけレアキャラ化しているそのカラクリは、ブルーリボンシティの製造終了時期を見れば何となく察せる。2010年代中頃まで作られていたハイブリッド仕様に対し、ディーゼル車のほうは2005年までだった。

神姫バスのBRC。2009年撮影
神姫バスのBRC。2009年撮影

 ハイブリッドのほうが都会で現役なせいか、まだまだ新しそうなバスに見えて、ディーゼル車は最終生産から既に20年経っており、優に古株なのだ。

 首都圏をはじめ大都会の大手バス事業者が、車両を20年使うことは珍しいケースで、大抵はその前に引退させてしまう。

横浜ベイエリアにBRCがいた頃。2007年撮影
横浜ベイエリアにBRCがいた頃。2007年撮影

 となれば、既にディーゼル仕様のブルーリボンシティの大多数が都会から姿を消していても、時期的にはおかしくない話、ということになる。

■フラットな屋根に刮目

 地方都市へ行くと、生え抜きの車/大都会から来た再就職組を含め、ディーゼル仕様のブルーリボンシティが今も頑張っている様子をたまに見かける。

ニセコバス(北海道)のBRC。2021年撮影
ニセコバス(北海道)のBRC。2021年撮影

 とはいえ、本当に「たまに」であって、他の古めな車種と比べても遭遇率が低い印象は否めず、いずれにせよ“レアな車”としての地盤を手堅く固め続けているのでは? と邪推してしまう。

 ディーゼルでノーマル仕様のブルーリボンシティには、顔のほか屋根にも特徴が見られる。ハイブリッド仕様が物凄くゴツゴツしているのに対して、ディーゼル車は極端なほど凹凸感が少なく、同型車種とは思えないほどのギャップが見どころ。

フルフラットな屋根のBRC。2025年撮影
フルフラットな屋根のBRC。2025年撮影

 屋根に載っているクーラーも小さめなタイプが主流で、ものによっては突起物が何もない完全フラットな屋根を持つブルーリボンシティも存在する。

 滑らかな顔つきと屋根のスタイルで個性十分、堅調に進めば車齢30年クラスのネオクラシック車のようなレジェンドへと姿を変えていくであろう、日野ブルーリボンシティの動向にますます注目していきたい。

【画像ギャラリー】バリエーション多彩!! 日野ブルーリボンシティ(13枚)画像ギャラリー

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