自動車評論家であり、プロドライバーでもある国沢光宏氏が、本誌『ベストカー』にてクルマ界の様々な事象に毎号舌鋒鋭く切り込む連載「クルマの達人」。数ある記事の中から、今回はオイル添加剤についての記事をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年3月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:国沢光宏/写真:呉工業
■ガソリン車にもハイブリッド車にも威力を発揮するオイル添加剤
この2~3年、電気自動車などECOカーばかり乗っていたこともあり、すっかり「オイル添加剤」の威力を忘れてました。直近で3つの「あらま!」があったので紹介しておきたい。
ひとつ目は10年半&10万km走っている2代目のプリウス。
私が5年乗って沖縄の知人に引き取られたのだけれど、先日久々にご対面した次第。このプリウス、走行1万kmで「モーターレブ」というオイル添加剤を入れ始め、手放すまでずっと使っていました。
こう書くと「なんで新車から入れないのか?」と思うだろう。
さまざまな部品から構成されているエンジンは、ある程度の“当たり”が付かないと内部のフリクションも小さくならない。最初から高い潤滑性能持つ添加剤を入れてしまうと、摩擦抵抗大きいままなのだった。
私はハイブリッドなら1万km、通常のエンジンで5000kmを目安に入れている。当然のごとく、沖縄に旅立った時点で、エンジンは騒音/燃費ともに走行1万km時点とほぼ変わらない状況。
10年半&10万km走ってどうなったか?
驚いたことに新車の時とまったく変わらないエンジン音である。正確に表現するなら、エンジンの停止と始動の時を含め、静かで滑らかなままだった。
蛇足ながらバッテリー延命装置を使っているためか、制御用バッテリーも新車から無交換。ポリッシュファクトリーという磨き屋さんのガラスコートのおかげか外観もビカビカです。
丁寧に扱われていることもあり、いつ廃車にしたらいいのか迷うことだろう。
■多走行車、ボルボV40でも効果が大きい!
2つ目はネオチューンで話題上昇中のサンコーワークスの代車に使っている古いムーヴ。
先日乗ったトコロ、エンジンが超賑やか。バルブ回りから音出てます。喜多見さんに「モーターレブを知ってるか?」と聞いたら「知らない」と即答されたため持って行く。
オイル交換しなくていいのか、と言うので「不要」と返事し投入。
すると喜多見さんが驚いてしまっている。モーターレブ入れてエンジン始動したら、20秒くらいのアイドリングで静かになったからだ。
オイル添加剤だからして、混ざればすぐ効果出るのは当たり前。
入れたのは普通のモーターレブだったけれど、古いクルマならパッキン類の膨潤剤(ゴムなどを膨らませてリフレッシュさせる効能持つ)も添加されている「多走行車用」を使えば、一段と効果大きいと思う。
少し疲れ始めたエンジンへの添加剤投入は、最も効果を感じる。タイした金額の投資じゃないから、古くなったクルマに乗っているなら国沢光宏にダマされたと思って使ってみてほしい。
そして3つ目が慣らし終わったボルボV40。
いつもアクアラインのトンネル部分で(10km区間燃費。風の影響なし)燃費を計測しているのだけれど、今まで17.6km/Lプラスマイナス0.2km/Lだったのが、モーターレブを入れたら18.3km/Lになりました。
エンジン内部のフリクションを減らす効果であります。騒音レベル下がり、気持ちよいエンジン音で回っている。おそらく10万kmは新車のようなコンディションをキープするかと。
ちなみにモーターレブはKUREのウェブサイトで通販をやっている。
「多走行車用」とボディのキズを取る「ルックス」という表面仕上げ材のセットで送料込み3498円。もちろんカー用品店やホームセンターに行けば買えます。
ほかにもオイル添加剤が出ているけれど、モーターレブの面白さは「副作用も持つ添加剤」を含んでいないこと。
2010年にタイのチャンピオンになった時なんか、純正オイル+モーターレブでエンジン快調でした。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)






コメント
コメントの使い方