現代の車両でありながら、クラシカルなスタイルを持った車両を多くラインナップしているミツオカ。近年ではロックスターやバディ、ミツオカ創業55周年を記念したM55など、1960年代から80年代までのアメ車をイメージしたクルマを発表しているが、過去には1930年代のアメリカンクラシックカーをモチーフとしたモデルをリリースしていたこともあった。それが「ラ・セード」である。
文:小鮒 康一/画像:光岡自動車、日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】古き良きから未来的デザインまで!! クルマ界のヴァンガード! 前衛芸術車ミツオカの造形を堪能しよう!!(16枚)画像ギャラリーライフ・セカンド・ドリームが車名の由来のラ・セード
ラ・セードは1990年5月に500台限定でリリースされたモデルで、まだバブル景気のなごりもあってか、販売開始5日で完売するほどの人気となった。
スタイルとしては非常に長いノーズを持ち、その側面からはエキゾーストパイプ(ダミー)が伸び、その後方にはスペアタイヤカバーを模したバッテリーケースなどが備わる。フェンダーもグラマラスに造形され、盾形の大型グリルやその前に鎮座する4本のホーン、そして独立した丸形ヘッドライトなど、現代のクルマとは一線を画すものとなっていた。
このように非常に個性的なスタイルとなっていたラ・セードだが、実は前期型のS13型のシルビアがその中身となっていた。エンジンやフロントアクスルを延長したフレームに載せることでホイールベースを大幅に延長しているのだ。
そのため、盾形フロントグリルの直後にラジエターが備わり、その後ろにCA18DE型エンジンが鎮座しする格好に、エンジンからバルクヘッドまでに広大なスペースがあるという位置関係となっていたのだ。
なんだかんだ2代目まで登場!? しかもベースはS15!!
ちなみに、エクステリアでシルビアを感じられるのはフロントウインドウとドア程度だが、インテリアについてはステアリングセンターのエンブレムが変わるだけで、ほぼシルビアのままとなっており、シルビア内装越しに圧倒的ロングノーズを見るという不思議な体験を味わうことができた。
なおラ・セードは前期型のシルビアのNA、ATモデルがベースとなっており、月産20台のペースで約2年をかけて500台を納車。そのため、ベース車がマイナーチェンジで2Lエンジンとなった後も1.8Lモデルをベースに作り続けられていたようだ。
このように非常に個性的な成り立ちとなったラ・セードだったが、なんと2000年11月にベース車をS15シルビア(NA・ATモデル)とした2代目モデルをリリース。こちらは100台限定で販売され、2001年の東京モーターショーには、シルビアヴァリエッタをベースにしたと思われるコンバーチブルモデルも展示されたが、こちらは市販されることはなかった。


















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