2025年現在、街なかでよく見かける普通のクルマであっても、10年後には「名車」となっているかもしれない。ここでは車両価格300万円以下のクルマに絞り、10年後に名車になっているであろうクルマを渡辺陽一郎氏がピックアップする。
※本稿は2025年11月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ダイハツ、マツダ、スズキ、日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
フツーのクルマがプレミアムになる
10年後も名車であるには、時間が経過しても色褪せない普遍的な価値を持つことが必要だ。今が懐かしく思えるような時代を反映したクルマ造りも求められる。
そこで筆頭に取り上げる車種がコペンだ。現行型は生産を終えるが、電動開閉式ハードトップを備えた軽自動車のオープン2シータークーペの魅力は、今後も衰えない。軽自動車の販売が絶好調な今の時代を反映した車種でもある。
ロードスターにも普遍的な価値がある。例えば現時点で10年前の2015年式、20年前の2005年式ロードスターを運転しても、実に楽しい。ロードスターは、各世代にそれぞれ違う楽しさがあるからだ。したがって現行型も10年後には名車になる。
スイフトスポーツも名車だ。全長が4m以下の5ドアハッチバックで、あそこまで楽しく運転できるクルマはほかにない。特に今後は、安全性の向上や環境対応で車両重量がさらに増えて、軽快感は一層薄れる。現行型の名車度がさらに強まるわけだ。
ジムニーやジムニーノマドは、フルモデルチェンジの周期が20年前後だから、10年後でも現行型を生産している可能性が高い。それでも名車になる。前輪駆動のシティ派SUVが急増するなかで登場した小さくて硬派な悪路向けの本格SUVだから、10年後の存在感も強いだろう。
ハスラーも名車だ。車内の広さや荷室の使い勝手を重視した背の高い軽自動車だが、カッコイイSUVの外観、余裕のある最低地上高による優れた悪路走破力も備わる。
サクラは軽乗用車では最初の本格的な量産電気自動車として長く記憶に留まる。これも名車だ。
軽自動車の王者N-BOXは10年後も名車か!?
定義で異なり、カッコよさや運転の楽しさなど情緒的な価値を重視すると、名車にはなり得ない。
しかし小さなボディに広い室内、多彩なシートアレンジ、豊富な収納設備などを凝縮させたことを考えると、名車と呼べる。後者のように定義すれば、10年前の2015年に売られていた初代N-BOXも2025年時点で名車。























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