なまず
1984〜2000年まで製造された路線車・いすゞキュービックの中に「なまず」と呼ばれるバリエーションがあった。一般的なキュービックの車体とは一線を画す、クセの強い顔立ちをしているのが「なまず」最大のポイントである。
なまずはキュービックのシャシーに北村製作所製のボディを架装したもので、1985〜88年に製造された。新潟交通と頸城自動車のみで使われた、特注に近い車体だ。
型式で言うと新潟交通仕様がP-LV314Q、頸城自動車仕様がP-LT312Jとなる。
新潟交通で使われたものは、一般公募によって「銀太郎」の愛称が付けられていた。こちらは車体色の基調が銀色だったところから来ている。ただし後に車体色が若干変更となった際に銀太郎は“降板”になってしまった。
「なまず」のほうは非公式である。横から見た車体の全体像に加え、前方のしゃくれ具合とヘッドライトの位置関係が、淡水魚のナマズっぽい雰囲気を出していたことで、そう呼ばれるようになったらしい。
新潟交通のなまずは長期にわたって活躍を続け、2011年まで使われた。
いつ誰がそう呼んだのか?
オバQ、かまぼこ、ブルドッグ、なまず、4種のバス車両を紹介してきた。これらのアダ名をいつ誰が言い出したのかは良く分かっていない。
該当するバス車両が現役を退いた後に広まったケースもあるようだが、意図的に命名されたものはなく、全ていつの間にか浸透していた。
最近の車種はメーカーのペットネームで呼ぶ場合がほとんどで、非公式の名前はそれほど付けられないようだ。
今のところ、アダ名付きのバス車両も輝かしい歴史の1ページになっている、といったところだろうか。
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