クルマも人間と一緒で、トラブルは早期に発見して早期に対処すれば大事に至らずにすむもの。そしてトラブルを早期発見・早期対処する手助けをしてくれるのが警告灯だ。それにもかかわらず警告灯がついても「まあ、自宅に着くまではギリ大丈夫か」なんて思いがちだ。
しかし、場合によってはその判断が取り返しのつかない大トラブルにつながったり、大出費につながったりすることも……。そこで今回は、「ギリ大丈夫じゃない」警告灯に関して解説していきたい。
文/藤原鉄二、写真/写真AC
■警告灯の色で緊急性を判断しよう
警告灯の緊急度は色で判断できる。黄色またはオレンジ色のランプが点灯している場合は、緊急度はさほど高くはない。ただし早期発見という観点からすると、この色の時点でディーラーに点検を依頼するなどの措置をすることで大トラブルを防げることは間違いない。
いっぽう、赤色のランプが点灯している場合は、事態はかなり深刻な可能性が高く、時には事故につながる恐れもあるため、走行を続けないようにしよう。
ちなみに、青色は正常に作動していることを知らせるものなので、点灯しても慌てる必要はない。
■今すぐ停車を!! 危険度大の警告灯
ここではギリ走行どころか、即行でクルマを停車させる必要がある緊急度の高い3つの警告灯をご紹介しよう。
●水温警告灯
エンジン冷却水(クーラント)の温度が異常に高い時に点灯する。そのまま走行するとオーバーヒートしてエンジンが破損する、最悪の場合は発火する可能性もあるため、点灯したらすぐに安全な場所に停車し、ボンネットを開けてエンジンルームを外気にさらして温度を下げるようにしよう。
ちなみに、外気温が極めて低い時に点灯することがあるのが青色の点灯。これはエンジン冷却水の温度が十分に温まっていないためなので、消灯するまで暖気してから走行しよう。
●油圧警告灯
オイル系統に異常が発生すると点灯する。主な原因は、エンジンオイルの減り、オイルの吸い上げポンプの故障、オイル漏れ。いずれの場合もそのまま走行するとエンジンが焼き付いて破損する恐れがある。点灯に気づいたらすぐに停車して、まずはオイルゲージをチェックしてエンジンオイルの量を確認しよう。量が不十分であるならすぐに最寄りのガソリンスタンドで補充を。
また、オイル漏れの可能性もあるのでクルマの下にオイル漏の跡がないかも確認しよう。
エンジンオイルを補充して、さらにオイル漏れもないのに消灯しない場合は、重大な故障の可能性があるため、走るのは辞めてJAFまたは最寄りに販売店に連絡しよう。
●排気温警告灯
触媒装置の不具合により排気温度が異常上昇すると点灯する警告灯だ。排気温上昇を防ぐ制御装備が装着されていないクルマに装着されている警告灯のため、最近のクルマには装着されていないことが多いが、危険度は高い。
点火系のトラブルが主な原因となるが、エンジンが不完全燃焼をして未燃焼ガスが排気ダクトに流れて引火してしまう恐れがあるので、点灯したらすぐに停車してJAFまたは最寄りに販売店に連絡しよう。
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