自動運転トラック開発競争が激化
世界的にトラックドライバー不足が進む中、自動運転技術は特に商用車領域で大きな可能性を秘めている。
世界の大手商用車メーカーの中でもMANは様々な研究開発プロジェクトを通じてトラックの自動運転技術を積極的に開発しているメーカーだ。
2018年から2020年にかけて、ハンブルク港でコンテナ運搬用の無人トラックを試験し、2019年から2023年にかけてはドイツ高速道路会社や大学と共同で「ANITA」プロジェクトを推進し、道路・鉄道の連携輸送における実際の物流プロセスに自動運転トラックを統合する試験を行なった。
2022年からは「ATLAS-L4」プロジェクトとして11の企業・団体が共同でハブ間輸送用の自動運転トラックの開発に取り組んでいる。ドイツ政府が資金提供するこのプロジェクトは2021年にドイツで成立した自動運転に関する法律に対応しており、一定の技術監視のもと事前に決められたルートでの無人運転が許可されている。
プロジェクトは2025年に終了するが、最終段階として安全のためのドライバーが搭乗したプロトタイプによる実用試験を計画している。その上でMANは2029年末までに自動運転トラックを量産化する予定だ。
なお公開されたデータは、こうしたプロジェクトでの検証に用いられた長距離輸送用のMAN「TGX 18.510」大型トラクタによるもので、MANのD2676型ディーゼルエンジン(510hp/2600Nm)を搭載する市販の量産車に、センサーとコンピューターを追加した車両である。
1シーンが20秒で、運転環境は「高速道路」が70%、「郊外」が10%、「物流ターミナル」が10%、「都市」が5%などとなっている。雨・霧・雪などの天候、夜間・夕暮れなどの時間に加えて、追い越し、荷卸し、さらに道路上の動物や緊急車両など比較的珍しいシーンも含むそうだ。
MAN TruckScenes – World’s First Public Dataset For Autonomous Trucking
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