中小の運送会社でも利用しやすい従量課金モデル
この従量課金モデルには、BEVトラック、修理、メンテナンス、保険、デジタルサービスなどをフルパッケージが含まれている。データ分析による、利用に応じた従量制の料金となっており、電動化戦略を最適化し、BEVトラックの投入が適したルートをシミュレートする。
ディーゼル車からBEVトラックに切り替えるにあたっては、初期コストの高さから導入時に最大のリスクがある。これを取り除いて業務を合理化することで、炭素排出量の削減と、低炭素輸送の推進において重要な役割を果たすことが新会社に期待されている。
既にパイロットプロジェクトに成功しており、最初の顧客はJUNAが提供するBEVトラックを再生可能エネルギーで運行している。このトラックはディーゼル車と同様、シュトゥットガルト地方の日用品の運搬で、週に10便を走っているそうだ。
このトラック1台で、年間で93トンの二酸化炭素(相当の温室効果ガス)を削減する可能性があり、パイロットプロジェクトは2024年中に長距離輸送にまで拡大する予定となっている。
公共の充電インフラに依存している状態でも、1km当たりのコストは現在のディーゼル車と同等となっており、自社の充電施設など最適化が進めば更なるコスト低減も可能だ。
合弁事業についてセンダーのダビド・ノトハッカーCEOは次のようにコメントしている。
「これはこの業界にとって極めて重要な瞬間です。BEVトラックの普及を促進するために、スカニアと共同で合弁事業を立ち上げられることに興奮しています。
現在、BEVトラックの価格はディーゼル車の2~3倍ですが、欧州の運送事業者の70%は保有するトラックの台数が10台未満の中小企業です。JUNAの従量課金制とセンダーのシステムを活用することで、トラックを電動化する際の障壁を効率的に取り除くことができます」。
いっぽう、スカニアでベンチャー・新ビジネスを担当するグスタフ・スンデル氏のコメントは次の通りだ。
「JUNAは、BEVトラックと輸送のデジタル化というお互いに補完する専門知識を持つ両社のコラボレーションの結果であり、これにより大型トラックの電動化を推進します。
スカニアはこれまでも、そしてこれからもお客様のために価値を生み出す新しいソリューションを模索し続けます。センダーと共同でこのプロジェクトが実現したことを誇りに思っています。合弁事業は持続可能な輸送システムへの移行において重要な役割を果たすと確信しています」。
なお、両社は2023年5月に合弁設立で合意しており、関係当局の承認を得ていた。
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