トヨタ自動車が主導するCommercial Japan Partnership Technologies株式会社(以下、CJPT)は、日野自動車が起こした認証試験不正を踏まえ、CJPTから日野を除名することにした。
商用車版CASEという未来技術から日野を締め出すという身内が下した鉄槌は、まさに先が見えない日野の方途を象徴しているようだ。
文/フルロード編集部 写真/トヨタ自動車
【画像ギャラリー】調査委の調査報告書に記載された不正試験の例と追加された出荷停止モデル(2022年8月2日の会見の資料)
今回の除名の経緯
CJPTは2021年4月の設立以降、CASEの普及を加速させることにより、カーボンニュートラル社会実現に貢献すると共に、ドライバーや作業者の負担を軽減するため、パートナーの皆様と現場での取り組みを進めてきた。
今回、日野が起こした不正行為は、CJPTが共有する想いや目指す道とは相いれないものであり、このまま日野を含めて活動を進めることは、ユーザーや社会からの理解を得ることができないのではないかと、トヨタ自動車の豊田 章男社長からも投げかけがあり、CJPT内での議論を経て、今回の結論に至った。
具体的には、共同企画契約等全ての契約から日野を除外するとともに、日野がCJPTへ出資している株式(10%)をトヨタに譲渡する。
なお、先に公表した福島、東京での社会実装等、現在CJPTが取り組んでいるプロジェクトにおいては、ユーザーに迷惑をかけることがないよう、日野には必要最小限の役割を果たしてもらおあうと考えているという。
トヨタ 豊田 章男社長のコメント
「今回日野が起こした認証試験不正は、お客様をはじめ全てのステークホルダーの信頼を大きく損なうものであり、日野の親会社としても、株主としても、極めて残念に思います。長期間に亘りエンジン認証における不正を続けてきた日野は、550万人の仲間として認めていただけない状況にあります。
CJPTは日本のCASE技術をベースに、みんなで未来をつくるプロジェクトです。現状では日野がいることで皆様にご迷惑をおかけしてしまうと考え、CJPTから日野を除名することが適当であると判断し、関係各社とも協議のうえ、今回の結論に至りました。パートナーの皆様とは引き続き、輸送業が抱える課題の解決や、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指して、プロジェクトを進めてまいります。」
【画像ギャラリー】調査委の調査報告書に記載された不正試験の例と追加された出荷停止モデル(2022年8月2日の会見の資料)