東京オートサロンを巡っていたら意外な看板を発見した。なんと「世界初!! 固体電池ポータブル電源」とな! しかもその電池には車載化の計画まであるというじゃないの! 世界中のEVメーカーがシノギを削る全固体電池がこんなところに?
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】盗難に悩むオーナーを救うかもしれない新型バッテリーはこれ!(5枚)画像ギャラリー■近い将来に車載用固体電池バッテリーも開発!
東京オートサロン2024の会期中、北ホールをブラブラ歩いていたら、目を疑う看板を目にした。「世界初!! 個体電池ポータブル電源」と書いてある。
看板を掲げていたのは、自動車用ライトを軸に優れたカー用品をリリースしているベロフ。固体電池といえば世界中の電気自動車メーカーが開発を進める次世代の技術だが、それを先駆けて開発しちゃったのだろうか?
早速話を聞いてみると、電解質については「固体」ではあるものの、完全な固体である「全固体」とはやや異なる性状をしているらしい。
とはいえ、その性能は文句なしだった。液体電解質のリチウムイオン電池に比べたら安全性が圧倒的に高く、爆発や発煙の心配がないし、エネルギー密度も高く、既存のポタ電に比べたら小型化&軽量化を実現している。容量も1326Whとたっぷりで、定格2000Wの出力が可能ということだ。
しかも、話はこれだけじゃ終わらない。実はベロフのこの個体バッテリーには先の計画があるのだ。
同社によれば、この個体電池を既存の鉛バッテリーに置き換わる車載バッテリーとして開発しているとのこと。鉛バッテリーは重いし、近年はアイドリングストップ車が増えていることもあって負荷も高まっている。それらを解決するバッテリーとなれば、頼もしい存在となるに違いない。
実際に、試作品という12V車用のケースも見せてもらった。内部には4つの個体バッテリーパックが入っているが、持ってみると鉛バッテリーとは比較にならないほど軽い。4000回の放充電を繰り返しても80%以上の容量を維持するというから、ライフサイクルという点でもメリットがありそうだ。
■なんと盗難防止グッズとしても役立つ!
さらにさらに。説明を聞くと、こいつには思いもしない用途があった。実はこのバッテリー、出力電圧を専用アプリでコントロールすることができるというのだ。
たとえばこんなことができる。自宅に帰ったらスマホのアプリで電圧を最低に設定。すると万一愛車が盗難に遭った際、セルを回す電圧が得られないからエンジンがかけられないという寸法だ。もちろんバッテリーを換えられたらアウトだが、大幅な時間稼ぎにはなる。これは画期的なアイデアじゃなかろうか!
実際にこの機能を生かすにあたっては、自動車ディーラーなどとの協議や調整も必要になるとのこととで、製品の市販化はもう少し先になるとのこと。いっぽう車両盗難は今や無視できない問題だけに、その対策グッズがひとつでも増えることは望ましい。今後の動向に注目だ!
【画像ギャラリー】盗難に悩むオーナーを救うかもしれない新型バッテリーはこれ!(5枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方