2025年2月2日、三菱自動車が日産京都自動車大学校で教材車を寄贈する式典が開催された。その車両はなんとアウトランダーPHEV。三菱が日産自動車大学校で、アウトランダーPHEV??? この組み合わせは一体なぜ? 想像以上に深かったそのコラボに感動したぞ。
文/写真:ベストカーWeb編集長 塩川雅人
【画像ギャラリー】明るい未来は待っている!! 日産&三菱コラボの贈呈式がすごかったぞ(5枚)画像ギャラリー■未来への投資こそアライアンスの意義
日産と三菱のアライアンスといえばエクストレイル/アウトランダーPHEVなど、開発共有でその話題には欠かない。そのような車両のハード面については自動車メディアでも多く報じているとおりなのだが、ディーラーの整備についてはアライアンスによる共通化がすぐに進むというわけにもいかず、整備現場ではまだまだ日産、三菱と独自の文化が多い。
そこで日産が誇る整備学校、日産自動車大学校と三菱自動車がタッグを組んで「整備士育成」で大きな一歩が始まった。なんと三菱が日産自動車大学校にアウトランダーPHEVを教材車として寄贈したのだ。
その狙いは三菱販売会社からの紹介で、日産京都自動車大学校に入学した学生について、日産の社内整備資格に加えて同等の三菱社内資格を認定するというもの。そうなれば主力車種のアウトランダーPHEVに触れることで三菱車の理解がより深まるということで、今回の教材車の贈呈となった。
PHEVは電動車と内燃機関の理解をするには最適な構成要素をもっており、学生の学びも深くなりそうだ。
■単純な教材にとどまらず「未来」を作る
今回の贈呈式でやはり焦点となるのが整備士の育成という部分。昨今の整備士不足に対応すること、そして高い技術を持つ整備士の育成は急務ということは贈呈式全体からひしひしと伝わった。
囲み取材では整備士不足についての質問が記者から飛んだ。日産も三菱も販売会社整備士の待遇改善を急速に推し進めているのは確かなことだが、まだまだ世間からその認知が進んでいないのも事実だ。
そうは言っても継続をしないと認知は進まない。整備士のステータスを上げるためにはメーカー系の販売会社、そして日産自動車大学校のようなメーカー校が力を入れていくことは整備士全体のプレゼンスを上げることに繋がるもの。今回のようなメーカーが本腰をあげてコラボするというのは非常に大きな一歩なのだ。
「教材車」のアウトランダーPHEVは整備士資格の取得、そして最新技術の理解ということだけではなく、新時代の整備士養成という重責も担っているように感じた。
■「乗らなきゃわからないのでは?」
このアウトランダーPHEVがもちろん日産と三菱のメカニックの架け橋となるのは間違いないのだが、やはり自動車メディアとしては実際に乗って製品のよさも学ぶ機会があってほしいところなのだが……。当媒体からの質問を受けた三菱自動車本部長補佐の山西学氏はこう語った。
「やはり当社の製品は乗っていただいてわかる部分、そして楽しさ、クルマ作りの姿勢などを感じてもらうことができると思います。我々としてもアライアンスパートナーとして、日産自動車大学校の皆さんにアウトランダーPHEVなどを試乗してもらう機会も設けられたらと思います」。
S -AWCのとてつもない性能に学生もビックリするだろうな……。日産のe-4ORCEもすごいけど、三菱のAWD制御技術は目から鱗すぎるのでぜひ乗ってほしい。
「登校の教員の理解も進める必要があると思っております。ぜひアウトランダーPHEVを試乗させていただき、教員がしっかりクルマを理解して、そして学生も体感してキャリアに生かす。この循環が叶えばとてもありがたい」と日産京都自動車大学校の川嶋則生校長は続ける。
今回は京都校での贈呈となったが、実は日産自動車大学校は栃木、横浜、愛知、愛媛の5校を擁する。
「あと4台必要ですよね(笑)。学生さんに学びの機会を提供して、しっかりと三菱の販売網にも還元する。これがアライアンスの意義にもなると思います」と前出の山西氏が語る。
ベストカーWebとしてもこの取り組み応援していきます!!!
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