2024年7月に発表されていた改良新型のフォルクスワーゲン ゴルフシリーズが、ついに日本上陸をはたした。ビッグマイナーチェンジをむかえた8代目後期型の変更点とその実力を、西川昇吾氏にレポートしていただいた!!
※本稿は2025年2月のものです
文:西川昇吾/写真:森山良雄
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
ハッチバックの「世界基準」が大幅進化!
ハッチバックの世界基準とされることが多いゴルフ、その現行モデルである8代目が大幅改良を受けて進化した。
今回のマイナーチェンジで特に嬉しい変更点がふたつ。1つはステアリングスイッチがタッチ式から物理ボタンになったこと。どの機能のボタンを操作したかがわかりやすく、手元を凝視する必要がなくなり、使いやすくなった。
もうひとつがナビだ。12.9インチの大型モニターには新インフォテイメントシステムのMIB4が採用されている。音声機能操作もあり、なによりインターフェースがわかりやすくなった。
改良前にあった不満点も大きく改善
まずは基本となるハッチバックで48Vマイルドハイブリッドを採用する1.5Lガソリンターボ(eTSI)から試乗。
改良前は回生ブレーキと乾式の7速DSGのマッチングが悪いのかギクシャク感があったが、このあたりはかなり改善された。まだ気になる点もあるが、やや強めで一定以上の踏力によるブレーキングではさほど気にならない。
また高速走行時は積極的にコースティングするが、必要な時に素早くエンジンが始動し、トルクをレスポンスよく出してくれる。
そのほか走りでよくなったのはパワステだ。公式アナウンスはないが、初期型に比べてフロントタイヤからのインフォメーションが感じやすい。おそらく細かな改良で制御系のアップデートが行われているものと思われる。
試乗車のグレードはRライン。18インチ40扁平タイヤと専用サスのため、細かな路面振動を拾う感触があるが、リアサスがマルチリンクとなっており、60km/h以上の速度域ではそこまで気にならない。
トレーリングアームを採用するグレードのBasicにも試乗したが、コチラは16インチの55扁平タイヤのためか、低速域の乗り心地が良好。60km/hで両車の乗り心地が逆転する印象だ。
かなりの好印象だったヴァリアント
ヴァリアントは2Lディーゼルターボ(TDI)のRラインに試乗。今回試乗した3台ではコチラが一番好印象。ホイールベースがハッチバックより50mm長いこともあってか、乗り心地がいい。ブレーキング時のフィーリングも回生ブレーキを持つeTSIより自然だ。
またTDIは湿式DSGのため、減速時のシフトダウンがよりスムーズだ。エンジン振動も気にならない。コンフォート性能を求めるなら、TDIヴァリアントのStyleグレードが一番お薦めと言えそうだ。
GTIは20psアップの265psに!
そしてGTI。コチラの主な変更点は2Lターボエンジンの制御変更による20psのパワーアップ。そして可変ダンパーのDCCとセットオプションとなる19インチホイールが、5代目を思わせるデザインとなったことだ。
試乗するとターボらしいトルクの盛り上がり感が程よく出ていて、そのホット具合は街乗りでもちょうどよく感じられる。
乗り心地は、突き上げ感はないが縮み側の減衰が強そうで、すぐに振動が収束する。日常の乗り心地とスポーティな乗り味を上手く両立している印象だ。いろんなシーンでハイレベルな走りに応えるDCCの効果は大きい。
なお、今回改めて感じたのがゴルフの実用性の高さだ。後席と荷室の広さはハッチバックもヴァリアントもクラス超えの印象。豊富なバリエーションも含め、皆に薦められるCセグが戻ってきた感触を得た。


























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