クルマの歴史においてさまざまな装備が開発されてきたが、なかには残念ながら消えてしまったものも多い。とはいえ、なくなった装備のすべてがダメだったわけではない。今回は、ちょっと変わった装備を持ったクルマを振り返ってみたい。
文/長谷川 敦、写真/スズキ、トヨタ、ホンダ、三菱自動車、CarWp.com
【画像ギャラリー】昔は気の利いたクルマが多かった!?(13枚)画像ギャラリーわくわくゲート【5代目ホンダ ステップワゴン】
ホンダが販売するミニバン・ステップワゴンの現行型は2022年に登場した6代目モデル。
しかし、この6代目では5代目に装備されていたユニークな機構が廃止されてしまった。
その機能がリアに設けられた「わくわくゲート」だ。
通常、ミニバンのバックドア(ゲート)は上部を支点に開くタイプが多く、このわくわくゲートも基本的にはそのように開閉する。
そしてわくわくゲートの注目すべき点は、横開き式のサブドアを装備していたことだ。
ミニバンタイプでの横開きリアゲート自体は特殊なものではないものの、5代目ステップワゴンのサブドアは下まで伸びていて、乗降がしやすいという特徴があった。
このように便利な点が多かったわくわくゲートだが、構造が複雑なためコストが高くなってしまい、ユーザーによってはここまでの機能は必要ないなどの理由により、現行型のステップワゴンでは採用されていない。
6代目へのモデルチェンジは最近の話なので、わくわくゲートを装備した中古ステップワゴンの入手は比較的容易だろう。
アクティブエアロシステム【三菱自動車 GTO】
1990年に発売された三菱自動車のGTOは、日本国内のバブル景気を象徴するような豪華な装備のスポーツカーだった。
スタイルはスポーツカー然としたものだったが、4WDを採用したボディは大柄で、どちらかというとコーナリングよりも高速巡行性能に重きを置いたクルマであった。
その高速巡行性能を高めるために採用していたのがアクティブエアロシステムだ。
GTOの上級ツインターボ仕様に装備されたアクティブエアロシステムでは、80km/hを超えると自動的にフロントのスポイラーが下がり、リアスポイラーの角度が強くなった。
これで走行安定性が高められるのだが、日本国内の市街地走行で作動するケースはそれほど多くなかった。
GTO以外にも可変エアロデバイスを装備したスポーツカーは多く、現行モデルにも採用例はある。
それだけ有効なシステムなのだが、コストや重量増を招くため一般的な装備になっているとはいえない。
ルーフベンチレーション【初代ホンダ CR-X】
夏場の走行における車内の温度は熱くなるため、普通はエアコンを利かせて室温を下げる。
しかしエアコンを使うと燃料消費が多くなってしまい、厳密にいうとエンジンの出力損失にもつながる。
とはいえ窓を開けると強い風が吹き込んできて運転に支障が出たり、風切り音を不快に感じたりする。
そこで考え出されたのが、サイドウィンドウでなくルーフから空気を取り入れて車内を冷却するシステムだ。
1983年にデビューした初代ホンダ CR-X(初代はバラードスポーツCR-Xの名称)にこのルーフベンチレーションが装備されていて、手動でルーフのダクトを開くと車内に外気が導入された。
だが、実際にはあまり冷却効果はなく、初代CR-Xのマイナーチェンジの際にはこのルーフベンチレーションは廃止されてしまった。
レースカーには採用例の多いルーフベンチレーションも、速度域の異なる市販車ではそこまで有効ではないという結論になった。でも、なんとなくカッコいい感じはする?















コメント
コメントの使い方欲しい装備としては昔の日産車に付けられていた「AT車の大きなサイズのブレーキペダル」。ちょうど「ラシーン」が走っていた時代のモノ。今のAT車のブレーキペダルの大きさよりも、5割増しぐらい大きいです。だから、踏みやすいです。
ヘッドランプウォッシャーは、スバル車(OEMを除く)には昔から装備されてます。バンパーにふたが付いていて、そこがヘッドランプウォッシャーになってます。