赤ちゃん用品には様々な便利グッズ・お役立ちグッズがある。特に「泣き止ませ」に関するグッズは、人気が高い。その中には、クルマと非常に縁のあるものもあるのだ。2023年10月にタカラトミーとホンダが共同開発した「Honda SOUND SITTER(ホンダサウンドシッター)」もそのひとつ。一体どんな商品なのか。1歳児の育児に奮闘する筆者が、ホンダサウンドシッターの効果を試してみた。
文:佐々木 亘/画像:ホンダ
【画像ギャラリー】オギャアにはンバァア? 赤ちゃんも大好きなホンダNSXサウンド!(19枚)画像ギャラリーお腹の中とNSXのエンジン音は周波数が近い
ホンダサウンドシッターは、赤くて柔らかいぬいぐるみ。往年の名車「S600クーペ」が象られており、サイドミラーやナンバープレートにはフェルトを使い、ホンダのHマークは刺繍で表現されている。子供が反応しやすい赤を使っているから、すぐに赤ちゃんが興味を持って手を伸ばすだろう。
このぬいぐるみの中にはサウンドユニットが入っており、そこへ単四乾電池3本を入れる。ユニットの乾電池カバーはネジ式で開閉し、ぬいぐるみの底面にはサウンドユニットが外に出ないよう、強力なマジックテープでフタがされていた。
ボンネット中央部がスイッチになっており、そこを軽く押すとサウンドシッターがスタート。「ブォーン」と、空ぶかしのエンジン音が鳴り、空ぶかしが4回行われ、5回目のアクセルオンではスロットルがパーシャルになり、少し回転数の上がった状態の音を長く楽しむことができる。このサイクルが2度繰り返され、再生は終了する。
クルマのエンジン音で赤ちゃんが安心することを、ホンダが徹底検証し、30車種以上のエンジン音の中から、母親の胎内音に近い音を探し出しているという。この研究の結果、最も胎内音に近いとされたのが、2代目NSXのエンジン音だった。
父も子どもも笑顔になるぞ
まず、ホンダサウンドシッターが笑顔にするのは、クルマ好きの父親だろう。筆者としてもNSXのエンジン音は、いつまでも何度でも聞いていたくなる音だった。大きな魅力は、パパが子どもをあやすのにとっつきやすくなること。子どもと一緒にNSXのエンジン音を聞いてみようかなと、育児のきっかけにもなる。
肝心の子どもの反応は個人差があると思うが、座って遊びだす頃(8か月以降)なら、音に興味を持ち、聞き入る様子が見て取れた。泣いている状態でも、エンジン音を流すと「ハッ」として、泣き止むのも実に不思議である。
ただあまり子どもが小さすぎると、効果は薄い。我が家の息子も、ホンダサウンドシッター(我が家ではホンダさんと呼ばれている)に興味を持ち始めたのは、生後半年を過ぎたころから。それまでは「ホンダさんのブォーン」には見向きもしなかった。
1歳を過ぎた今は、他のミニカーと並べて遊びながら、投げたり潰したりしているうちに音が鳴り、エンジン音が聞こえると「キャハハッ」と笑いだす。本製品の対象年齢は「0か月~」となっているが、実際にシッターの役割を果たすのは、1歳以降と考えた方が良いだろう。
発売から今年で2年! マイナーチェンジをしてもいいのでは?
筆者が子どもの寝かしつけによく使うのが、同じくタカラトミーさんから販売されている「いっしょにねんねぐっすりメロディ」という商品。
寝かしつけ用の音楽と、ぐずり泣きに効果のある胎内音が入っている。一度スイッチを入れると15分間鳴り続け、赤ちゃんの入眠を促進し、ぐずり泣きを解決してくれるのだ。正直、コレ無しでの乳児期の育児は考えられなかった。
筆者は、Honda SOUND SITTERにも同じ役割を期待したのだが、その願いは叶わず。なぜかというと、エンジン音が鳴り続ける時間設定があまりにも短いから。
寝かしつけグッズが概ね15分程度鳴り続けるのに対して、Honda SOUND SITTERはわずか45秒しか鳴ってくれない。せめて3分くらいは鳴り続けてほしいのだ(ボンネットのスイッチを押せば、音は停められるのだから)。
今秋で発売から2年が経過するから、そろそろ一部改良やマイナーチェンジの時期かと。非常に面白いおもちゃであるし、子どもにクルマを意識させる貴重な存在として、ホンダにはサウンドシッターをぜひ大切に育てていってほしいと思っている。
エンジン音の再生時間は、3パターンくらいから選択できると嬉しいものだ。現行の45秒に加えて、3分、5分あたりがあると使い勝手がいい。
赤ちゃんは泣き止むし、パパの育児も捗る最高のグッズなので、ぜひともホンダさん、早期の改良をお願いします。






















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