1997年5月に登場し、高級ミニバンの元祖として一世を風靡した日産エルグランド。このモデルがいなければアルファード/ヴェルファイアも、レクサスLMも存在しなかったとも言われており、日本の高級車の勢力図を大きく塗り替える存在となった。そんな初代エルグランドには、実はOEMモデルが存在している。それがいすゞから販売されたファーゴ・フィリーというモデルである。
文:小鮒 康一/写真:いすゞ、日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】まさかの初代エルグランドの姉妹車! いすゞ ファーゴ・フィリーとは何者か!?(8枚)画像ギャラリー1981年に登場したファーゴの流れを汲むファーゴ・フィリー
エルグランドの発売から2か月遅れの1997年7月に販売を開始したファーゴ・フィリーは、1981年にいすゞオリジナルのワンボックスカーとして登場したファーゴ、そして1995年にキャラバンのOEMモデルとして登場した2代目ファーゴの流れを汲むモデルとなっており、車名にメスの子馬を意味するフィリーを追加してファーゴ・フィリーとした。
このファーゴ・フィリーは基本的にエルグランドをベースに前後のグリルとガーニッシュを変更しただけのOEMモデルとなっていたが、デビュー当初は全車ディーゼルエンジンモデルとなっていたのがいすゞらしいところ(1998年10月にガソリンモデルを追加)。
1999年9月にはエルグランドと共にマイナーチェンジを実施し、車名を単にフィリーとしたほか、ディーゼルエンジンをQD32型からZD30型に換装したのもエルグランドと同一だった。
どんな人がOEM先モデルを選ぶ?
そんなフィリーはグレードこそエルグランドに比べて絞られていたものの、同一グレード同士で比較すると価格は全く同一となっており、当時あえてフィリーを選んだユーザーはどのような心境だったのだろうか?
これは現在も販売されているOEMモデル全般に言えることなのだが、OEM先のモデルを選ぶユーザーの多くは、すでにそのメーカーのディーラーとの関係性が構築されているケースが多い。
フィリーの場合は、すでにいすゞの乗用車(当時はまだ乗用車を取り扱っていた)に乗っていたり、業務用車両としていすゞ車を導入していたりした場合、すでに営業マンとの関係性があるために面倒なく購入することができたというワケだ。
それ以外では最寄りのディーラーがいすゞであったとか、身内がいすゞ関係者だったとか、日産よりも好条件が出たとかさまざまあると思うが、“どうしてもいすゞブランドのモデルが欲しい”という理由で購入したユーザーは少数派だったと言えるのではないだろうか。










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