予想を上回る人気で受注停止中のスズキ ジムニーノマド。だがそんなスズキのクロスカントリーモデルには、かつてエスクードという車種があった。エスクードも途中から5ドアモデルが追加されたことに加え、非常に安価なモデルでもあった。惜しくも現在は終売となってしまったエスクードを今回は振り返ってみよう!
文:小鮒 康一/画像:スズキ
【画像ギャラリー】ジムニーノマドにつながるDNAはビシビシ感じるなぁ!! もちろん素エスクードもいいゾ(19枚)画像ギャラリーライトクロカンのはしりとも言えた初代エスクード
初代エスクードは1988年にデビュー。当時はまだ今のようなクロスオーバーSUVというジャンルは存在しておらず、ジムニーやパジェロなどはRV車やクロスカントリー車と呼ばれていた。
エスクードもメカニズム的にはラダーフレームや副変速機付のパートタイム4WDといった本格的なクロスカントリーモデルと同じものを持っていたが、足回りのセッティングはオンロードでの乗り心地を重視したもので、エクステリアのデザインも無骨な本格クロスカントリーモデルとは一線を画す都会的でモダンなものとなっていた。
これによりエスクードは一躍人気モデルとなり、乗用車的な感覚で乗ることができるライトなクロスカントリーモデルということで“ライトクロカン”の先駆けとなったのだった。
当初は2ドア+リアゲートの3ドアモデルとソフトトップを備えたコンバーチブル、そしてバンモデルというラインナップでスタートしたエスクードだったが、人気の高まりとともに使い勝手のよい5ドアモデルを求める声が増えてきた。それに応える形で1990年9月に追加されたのが、ロングボディの5ドアモデル「エスクードノマド」だったのだ。
スズキが誇るもう一つのノマド
ノマドとはフランス語で遊牧民を意味し、高い走破性と人と荷物を積載できることから、移動に対する真の自由性を持つクルマというイメージを投影したものとなっており、全長を415mm、ホイールベースを280mm延長したことで、確実に使い勝手が向上していた。
そして価格もエントリーグレードの5速MT仕様で177万8000円からという低価格も魅力的だった。
なおノマドも当初は3ドアモデルと同じ1.6Lのガソリンエンジンを搭載していたが、1994年12月には2.0Lが、96年10月にはV6 2.5Lが追加されている(3ドアモデルにも同時設定)。
96年の改良のタイミングでノマドの名前が外れ、単に“エスクード5ドア“となっているが、V6 2.5Lエンジンを搭載していながら215.3万円(4AT車)と引き続き安価だった。
その後は代を重ねる毎に大型化し、最終的にV6 3.2Lエンジンを搭載するまでになったエスクードだったが、4代目では一転、モノコックボディを持つコンパクトクロスオーバーSUVとなり、ハンガリーからの輸入車という形になった上で、最終的にハイブリッドモデルになるなどやや迷走感のあった最期となってしまったが、当初のコンセプトを持ったモデルとして復活しても面白いのではないだろうか。





















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