光を操る!? 日産の新型リーフ「調光ガラスルーフ」が快適すぎて感動レベル!

光を操る!? 日産の新型リーフ「調光ガラスルーフ」が快適すぎて感動レベル!

 ついに第3世代となった日産の新型リーフ。クロスオーバーSUVになることによる空力性能の低下をもの凄く気にしたらしい。そこで日産が考え抜いて生み出した技術が、新型リーフの天井にあるらしい。一体何なのか!? その正体を見ていこう!

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車

【画像ギャラリー】技術の日産が復活!? 感動レベルの「調光パノラミックガラスルーフ」をチェック!!(5枚)画像ギャラリー

空力と居住性、相反する要素を両立する難題に挑戦

 新型リーフは、航続距離の向上を狙い、空気抵抗係数(Cd値)を従来型の0.28から0.26へと改善している。しかし同時に、クロスオーバー化により車両の前面投影面積が増加することを避けるため、全高(ルーフの高さ)を抑える方向で設計が進められた。

 確かに、新型では全幅の拡大によって投影面積は若干増加しているが、Cd値の向上によってトータルでの空力性能は高まっている。

新型になって、全幅が広がったことで前面投影面積は若干増えたが、空気抵抗係数(Cd値)は従来型の0.28に対して、0.26に向上している
新型になって、全幅が広がったことで前面投影面積は若干増えたが、空気抵抗係数(Cd値)は従来型の0.28に対して、0.26に向上している

 ここで、開発陣が直面したのが「全高を下げつつも、室内空間は広く保ちたい」という課題だ。車両の空力を最適化しながら、頭上空間、つまりヘッドルームも確保するという、相反する要求を両立する必要があった。

 この課題を解決する鍵となったのが、日産として初めて採用した「調光パノラミックガラスルーフ」だ。

 従来のサンルーフは、ロールタイプやボードタイプのサンシェードの収納スペースが必要だったため、後席の頭上空間が制限される傾向があった。そこで、可動部を持たないパノラミックガラスルーフを採用することで、すっきりとした構造を実現し、ヘッドルームの確保につなげた。

ガラスルーフ仕様はヘッドルームが20mm拡大

 その効果は数値にも表れている。通常仕様のヘッドルームが120mmであるのに対し、ガラスルーフ仕様では140mmと、20mmの拡大を実現した。

 なお、調光パノラミックガラスルーフは、トヨタハリアーが2020年に先行して採用していたが、今回の新型リーフでは、先行事例を研究したうえで、さらなる性能向上にこだわったという。

こちらはトヨタハリアーが2020年に採用した調光パノラマルーフ。真ん中に強度を確保するためと思われるフレームが入っている
こちらはトヨタハリアーが2020年に採用した調光パノラマルーフ。真ん中に強度を確保するためと思われるフレームが入っている

 このルーフには、電子調光技術が採用されており、ボタン操作ひとつでガラスの透明度を調整可能。PDCL(Polymer Dispersed Liquid Crystal)技術により、スイッチオフ時には光を遮断し、スイッチオン時には分子が整列して明るい室内空間とクリアな視界を実現する。

 調光モードは、フルシェード、フロントシェード、リアシェード、シェードレス(透明)の4種類が設定され、乗員の好みに応じて変更可能だ。

赤外線反射と低放射率コーティングで暑さ対策も万全

 夏場の車内温度上昇への対策としては、赤外線(IR)反射技術と低放射率コーティングを併用。これにより、ガラス自体が高温になりにくく、快適性が向上している。

 従来のガラスルーフでは、赤外線を吸収することで車内への侵入を防いでいたが、吸収した熱によりガラスそのものの温度が上昇していた。新型リーフでは、赤外線を反射する構造とすることで、この問題を回避している。

 実際にサーモグラフィーカメラで測定したところ、日産がこれまでに採用していたシャード付きガラスルーフよりも、温度上昇が抑えられていることが確認されている。

 この調光パノラミックガラスルーフは、室内空間の拡大と空力性能の向上を両立させたうえ、車内温度の上昇を抑制することで、エアコンの電力消費も軽減。結果として、電費にも貢献する一石三鳥の装備となっている。

新型リーフが採用した調光パノラミックガラスルーフ。前から後ろまで遮るものはなし! 開放感が抜群だ
新型リーフが採用した調光パノラミックガラスルーフ。前から後ろまで遮るものはなし! 開放感が抜群だ

次ページは : デザイン面にも日産らしいこだわり

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