NEXCO東日本によると、高速道路での「逆走」は、全国でおおむね2日1回の頻度で発生しているそう。高齢ドライバーによるものが多いと思われがちな逆走ですが、若いドライバーであっても他人事ではないようです。逆走はなぜ起こるのか、そしてもしも遭遇してしまった場合、どのように行動すべきなのか。実態をご紹介ながら、正しい対処法を考えてみましょう。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_metamorworks/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】高速道路の「逆走」2日に1回起こっているが…なぜ起こる? 見かけたらどうする?(10枚)画像ギャラリー30~65歳未満のドライバーによる事案は23%
NEXCO東日本によると、2023年に全国で発生した逆走事案は224件。このうちの46%にあたる102件が75歳以上のドライバーによるものだったそう。65~75歳未満のドライバーによる事案も49件(22%)発生しており、実に68%が65歳以上のドライバーによるものとなっています。
警察庁が発表している年齢別の運転免許保有者数の構成率をみると、40~59歳が多く、60歳以上で減少しはじめ、75歳以上は一気に減少しています。免許保有者が少ない傾向にある75歳以上で多く発生していることは、やはり高齢運転者のほうが、逆走事案を発生させる確率が高いということになります。
ただ、30~65歳未満のドライバーによる事案も23%(52件)、30歳未満の事案も9%(20件)と意外と発生しており、免許保有者数や年齢の幅などを考慮すれば発生率は高くはないものの、逆走事案は高齢運転者によるものと決めつけることはできない状況です。
「過失」が全体の4割、ただ「故意」も2割強
では、なぜ逆走は起こってしまうのか。高速道路における逆走の動機としては、逆走となることを認識せずに逆走をしてしまう「過失」のほか、認知症等によって、事後においても逆走をしたとの認識をもっていない「認識なし」、また逆走となることを知りながら逆走をする「故意」に大別されます。2023年のデータ(全国で発生した逆走事案224件)では「過失」が全体の41%にあたる92件で、「認識なし」が31%にあたる70件、「故意」が24%・53件でした(残9件・4%はその他)。
もっとも多い「過失」のなかでも、(過失に至る)要因として一番多いのが、高速道路を走行中に誤って出口へと進入してしまったというケース。2023年のデータでは逆走事案全体の18.1%と、逆走事案の約2割を占めています。またインターチェンジ(以下IC)やジャンクション(以下JCT)で進路を間違えてしまった(5.1%)、一般道から高速道路に誤進入してしまう(7.0%)というのも、逆走の発端となってしまっているようです。
逆走となることを知りながら逆走をする「故意」の事例としては、たとえば、目的のICを通り過ぎてしまい、本来出ようとしていたランプに戻ろうと逆走をしてしまう場合(3.7%)など。出口ランプのほか、ICやJCT等で分岐を間違えてしまった場合(5.1%)も、戻るために故意に逆走をしてしまっているようです。
故意にしても過失にしても、道を間違えたことが発端となって逆走に至ってしまうケースは、2023年の事例では全体の約5割を占めています。一方、認知症等によって逆走をしてしまったケースは約3割。逆走というと、認知症によるものというイメージがある人も少なくないと思いますが、実は道を間違えたことが発端となって逆走してしまうケースのほうが多いのです。













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