ホンダは8月6日、公式Youtubeチャンネルにて「New V3 Engine Concept Teaser」と題する動画を公開した。1分に満たない本動画だが、スーパースポーツへの搭載が予期されている同社の新V3電動ターボエンジンについて、なんとネイキッドやクルーザー、アドベンチャーといった様々なカテゴリーに投入される可能性が見て取れるのだ!
DCTやEクラッチもあり得るのか!? 全カテゴリーへの展開を示唆
2024年秋に初めてお披露目されたホンダの「電動過給機付き新型V型3気筒エンジン」は、バイク用として世界初の電動コンプレッサーを搭載する革新的なパワーユニット。ホンダがV3レイアウトのエンジンを発表するのは1985年のNS400R以来40年ぶりのことでもあり、低回転からのハイレスポンシブな出力特性を実現できるという。今年1月の二輪事業説明会では、ホンダ二輪事業統括部長である加藤氏が熊本工場にて実車に乗った、と発言。さらに3月のモーターサイクルショーでは「現状の車体はダミーであり、走行テストは別の車両で行っている」という開発状況が明かされた。
ホンダが投入する全くの新エンジンということで、注目度の非常に高い「V3電動ターボ」だが、現段階ではこれがスーパースポーツに搭載されるのか、それとも全く違うジャンルなのか、といった車体を含めた詳細な情報は明らかになっていない。ところが8月に入り、ホンダは新たに公式Youtubeチャンネルにて「New V3 Engine Concept Teaser」と題する動画を公開した。これが50秒という短いものながら、来るべきV3電動ターボマシンについて、非常に示唆的な内容となっているのだ。
まずホンダが現在ラインナップする様々なモデルが登場する。CRF1100Lアフリカツインをはじめとし、CBR1000RR-R、CB750ホーネット、XL750トランザルプ、そしてX-ADV、レブル1100と、いずれも各ジャンルを代表する大排気量モデルたちだ。さらに映し出されるエンジンの姿から、DCT、E-クラッチと、これらのモデルが採用する先端アシスト機構も映し出される。
これまでの主要ラインナップをおさらいしているようにも見えるが、思い出すべきなのは本動画のテーマが「V3電動ターボ」であること。「走行テストは別の車両で行っている」という情報からも、あるいはネイキッドやアドベンチャー、クルーザー、そしてスーパースポーツという、あらゆるジャンルをカバーできる特性を表しているのかもしれない。さらにDCT、Eクラッチについても、その汎用性は過去モデルからも折り紙付きで、これも搭載機の示唆といえるだろうか!? 特にX-ADVはDCTモデルしか存在しておらず、もしもV3電動ターボがこのジャンルに搭載されるとすれば、自ずとDCT採用は必須となるだろう。
5桁までの高回転は確実! さらにテスト機はアップハンドル!?
そしてエンジン開発シーンでは、やはり主要なメカニズムについてはグリッチ加工されたモザイクにより判然としないものの、シリンダーヘッドやクランクケースの断面を(ぼんやりと)確認することができる。特にヘッドは大きくアップされており、何か秘密がある可能性も高いだろう……あるいはホンダおなじみ「VTEC」や、直噴という線もあり得るか!?
さらに回転数らしきモニターでは、1万回転を超える回転数が表示。このことから本機が間違いなく5桁以上の高回転に耐え、さらにトルクカーブはNAとは異なる伸びを示していることも見て取れる。またクランクケースにはスイングアームピボットらしき部位を確認することができ、左右割りの設計が確認できる。ホンダの現在のフラッグシップSS・CBR1000RR-Rは上下割りのクランクケースを持っており、これは直4エンジンのクランクシャフト配置に向き、現在のSSでは採用例が多いが、V3電動ターボではVツインに近い構造となるようだ。
そして最後に、テスト機に跨るスタッフの姿で動画は幕を閉じる。この時注意したいのが、このスタッフのライディングポジションがアップハンドルを掴むスタイルに見えるところ。テスト機は、アップライトなポジションのストリートタイプなのだろうか? この仮説は冒頭の、様々なカテゴリーのマシンにマッチした特性のイメージと合致するのは偶然ではないだろう。
ここで考えたいのが、本機が備える二輪車初の電動コンプレッサーだ。4輪ではすでに採用例もある電動過給機だが、これらはハイブリッドと言ってもいいもので、過給機用に高圧な電気回路やバッテリーを有している。ホンダV3ターボも12Vの電装系で電動コンプレッサーを回せるとは思えないから、ハイブリッドに近いレイアウトとなるのは間違いないだろう。
となれば軽量化が最重要視されるスーパースポーツよりも、ある程度の重量を許容できるネイキッド、アドベンチャーモデルにV3電動ターボが初採用される可能性はかなり濃厚と言ってよい! またコンプレッサーを搭載しないNAモデルについても、既にホンダがノンターボを思わせる商標登録を済ませていることは既報のとおり。ストリートにはパワフルなターボを、スーパースポーツには軽量さを活かしたNAモデルを投入する、という戦略がある……のだろうか!?
断片的にではあるが、かなり突っ込んだ情報を示した今回のティザームービー。その真の姿が明らかになるのは今年秋のミラノショーとなるようだ。どんなモデルが登場するのか、期待は尽きない!
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/480569/
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https://news.webike.net/gallery3/480569/480644/

















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