約6年ぶりにWRXが復活になる! WRX STI Sport #はWRX STIよりもカジュアルで、初心者も楽しめるスポーツセダンだ。これからスバルは既存のアセットを使い、MT車でも走る愉しさを追求していくというから楽しみだ
文:国沢光宏、ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、スバル
国沢光宏氏が大いに期待するカジュアルなWRX STI Sport #
スバルの開発トップが藤貫哲郎さんになって大きく変わり始めた。前回のJMSを見てもわかる通り、久しぶりにスポーツモデル路線を打ち出している。何度か藤貫さんとクルマ談義をしたけれど、よき時代のスバルの空気感を持つ。漏れ伝え聞くところによると、そう遠くないうちに「少し頑張れば買える価格」の楽しいクルマを何台か発表する予定だという。
そのうちの1台はJMSに出展したパフォーマンスB STIコンセプトと呼ばれるインプレッサベースのマニュアルモデルだろう。この車両はスーパー耐久に参戦し、鍛え上げられて発売されると予想。ではトップバッターとなるのは何かといえば、今年のオートサロンで発表された「WRX STI Sport♯」だ。
このクルマのベースモデルは現行WRX S4だ。スバルファンなら御存知のとおり2021年のデビュー当初から北米ではWRX S4の6MT仕様をラインナップしていた。
もちろん日本でもマニュアル仕様を出すべきという社内の意見もあったけれど、当時のスバルは「藤貫時代」じゃなかった。「STIの名を付けるなら、それ相応のパフォーマンスが必要。でも今のエンジンでは物足りない」みたいな異論も出た結果、CVTだけにした。
そして2023年6月から「藤貫時代」を迎える。藤貫さんが取締役専務執行役員に就任したからだ。藤貫さんの想いは「電気自動車の時代が始まる前にパーティやろうよ!」といったら言い過ぎだろうか。
スパルタンではなくむしろカジュアルだからこそ楽しめる
とはいえ社内には依然として「STI」というブランドに対する保守的な意見も多いようだ。そんなことから今回「WRX STI Sport♯」というグレード扱いにしている。エンジンスペックを見ればわかるとおり最高出力はS4と同じ275psで、最大トルクは2.5kgm(25Nm)低い。モータースポーツに参戦するようなポテンシャルは持っていない。
かつてのWRX STIに搭載されていたEJ20が308psを出していたことを考えるとパワー的に大人しいと思う人もいるだろうけれど、ハンドル握ると(WRXのカナダ仕様に乗りました)、低中速からトルクが湧き上がる。街乗りでは充分すぎるほどパワフル。そしてアクセルレスポンスも良好。WRX STIに比べるとずっとカジュアルに乗れる。
ワインディングに入ると、2500rpmあたりからトルクがぐっと立ち上がり、5500rpmくらいまでを使うグループN時代のラリーカーを思い出す(カナダ仕様のWRXは6000回転くらいまで気持ちよく回る)。その気になって走ったら存分に速い! ミッションは500Nm(51kgm )以上のトルクに耐えるWRX STIのような大容量型でないため変速時のイナーシャが小さく軽快だ。
クラッチも軽め。渋滞だってストレスなし。もちろんヒルスタートアシスト付きのため、坂道発進でサイドブレーキを使う必要もない。マニュアルミッションの楽しいところだけを引き出せる。アイサイトはバージョン4が入っていて、高速道路のロングドライブならアダプティブクルーズも使える(35km/h以下は解除)。安全装備を削ってスポーツモデル化したわけじゃないのがスバルらしい。
足回りはZF(ザックス)のダンパーにブレンボブレーキとバッチリ。そいつにレカロのセミバケットシートも装備されるという。
ちなみにZFのダンパーはWRX S4より気合いの入ったスペックになっているようだ。ZFのダンパー、欧州のプレミアムブランドにも使われており、減衰力をしっかりと出しているのに乗り心地が上質。ブレーキもブレンボなので、下り坂ならかつてのWRX STIと互角以上に勝負できそう。
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