自動車メーカーは自社のPRを含め、様々な目的で博物館や体験施設を用意することが多く、クルマ好きは旅行の目的のひとつにそれらを選ぶことも多い。その選択肢に新たに加わったのが、BYDが開設した新施設である。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:BYD
【画像ギャラリー】水の中も走れちゃう!! ドリフトもイケるぞ!! BYDのテーマパーク素直にすご(6枚)画像ギャラリーサーキットを中核としたテーマパーク
中国の電気自動車メーカーBYDが、クルマ好きを虜にする巨大な体験施設を中国・鄭州に開設した。これはBYDが得意とするNEV(新エネルギー車)専用の中国初となる全地形対応サーキットである。
従来の自動車メーカーが提供してきた体験施設の概念を覆しそうな“勢い”を感じさせるものに仕上がっている。
同施設の中核となるのは、全長1.7kmのサーキットである。9つのコーナーと550mの直線区間を持ち、最高速度220km/hでの走行が可能だそうだ。
公道では味わえない本格的なサーキット体験を提供することで製品をアピールする。
水、砂、様々なシチュエーションを用意
同施設には8つの異なる体験ゾーンが設けられていて、屋内砂丘、スキッドパッド、キックプレート、水深池、ダイナミックパドック、サーキット、オフロードパーク、キャンプエリアが含まれる。
BYDが開発する先進技術を余すことなく体感できるような工夫が凝らされているのだ。
注目すべきは、ギネス世界記録に認定された世界最大かつ世界最高の自動車テスト用砂丘登坂施設。
29.6mの垂直落差と28度の傾斜を持ち、6,200トンの砂を使用してモンゴル自治区アルシャ砂漠の砂質が再現されている。砂漠での過酷な走行条件を安全な環境で体験できる施設は…聞いたことがない。
水上浮遊能力を試すプールまで用意
さらに驚くべきは70m長のプールだ。これはBYDが誇る高級SUV「仰望U8(ヤンワンU8)」の水上浮遊能力を実証するためのものである。
電動パワートレインの高度な制御により、車両が水面を自在に移動する様子を水中観察ガラス越しに見ることができる。ポルシェ・エクスペリエンスセンターも素晴らしいが、さすがにプールは用意されていない。
直径44mのスキッドパッドは中国初となるものだ。
3万個の滑らかな玄武岩レンガと3mmの水膜により、雪と氷の間の摩擦係数を再現している。
滑りやすい路面にて電子制御デバイスの介入と安定したドリフト走行を存分に満喫できる。
1万5300㎡のダイナミックパドックではスラローム走行、ムーステスト、自動駐車など十数種類のシナリオが用意され、BYD車の安全技術の全てを体感できるようになっている。
初心者から上級者まで対応する27種類のオフロードシナリオも設けられ、BYDがラインナップするSUVの悪路走破性を試すこともできる。
日本には導入されていない様々な車種を用意
同施設では、フラグシップモデルの仰望U9をはじめ、ダイナスティ・シリーズ、オーシャン・シリーズ、デンツァ(騰勢)、ファン・チェン・バオ(Fang Cheng Bao:方程豹)など、BYDの幅広い車種を体験できるそうだ。
チケットは最安の899元(約1万9000円)からVIPパッケージの6,666元(約13万8000円)まで4タイプが用意されていて、VIPパッケージには全車種・全エリアへのアクセスに加え、近隣5つ星ホテルでの一泊分の宿泊も含まれる。
同施設はクルマ好きなら中国旅行の際、中国出張の際、訪れるべき場所のひとつと言えよう。
日本に輸入されているBYD車はごく一部のラインナップに過ぎず、百聞は一見に如かずだ。
なお、BYDは鄭州を皮切りに、合肥と紹興にも同様の施設を開設予定だそうな。
紹興の施設は標高500mの約810ヘクタール(東京ドーム173個分)という壮大な敷地に建設される予定であり、圧倒的なスケールに大きな期待が寄せられる。
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コメント
コメントの使い方これは正直うらやましい。
国内でも水撒きスキッドパッドでドリフト試せる所は幾つかあるけれど、個人ではとても手が出ないし、
オフロード試せる所もあるけど同上なうえ、サーキット併設となるとFSWくらいしか思いつかない。
全部を一か所で試せる、しかも施設の規模が桁違いに広いってのは、さすが中国というところ