昔から「10年ひと昔」と言うが、テクノロジーの分野では10年は「三昔」ほどの差となって現れる。そこで、2025年の現在から10年後……2035年の自動車業界を鈴木直也氏に予測していただいた。クルマ界の10年は「何昔」になる!?
※本稿は2025年11月のものです
文:鈴木直也/写真:ホンダ、トヨタ、日産
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
10年後……2035年のクルマを大予測
おそらく、今後10年は自動車の歴史上最も変化の大きな時代になる。
ますます進む電動化はもちろんだが、自動運転の普及やSDVと呼ばれるソフトウェア中心のクルマづくりなど、いま水面下で激しい開発競争が行われている新世代のクルマたちが、2035年頃に続々と市場に出てくるからだ。
そんななか、ぼくらのカーライフを最も変化させるのは、おそらく半自動運転の普及だ。
現在、高速道路でアダプティブクルーズコントロール(ACC)を利用するように、10年後には市街地を含めてかなりの領域でハンズオフ運転が可能になる。
自動運転のカテゴリーとしてはドライバーの監視が必須のレベル2だが、実質レベル3の実力を持った自動運転が、いまのACCなみに普及するだろう。
もうひとつ重要な変化は、バッテリーEVとエンジン車の使い勝手の差がほぼなくなること。
これは、給油に要する時間と充電に要する時間がほぼ同等になるという意味。高出力充電器のインフラ整備はもちろん課題として残るが、それを別にすればBEVに感じている不便さはほぼ解消されているはずだ。
一方、暗い予測もある。クルマの進化は当然ながら車両価格の上昇をともなう。5%の値上がりが10年続けば価格は約1.6倍。賃金より物価の上昇が大きい状態が続けば、クルマはますます高嶺の花になる。
クルマ好きは頑張って貯金するしかないかもね。


















コメント
コメントの使い方ICEと使い勝手変わらなくなるって、10年で比重性能50倍になると言う無茶ですよ。理解して仰ってますか。
そんな未来は理解できずとも、3~5年後は分かります。
AI搭載してない車は車にあらず、的なムーブを各メディアがかまして
EV狂いの時のように超偏向報道が起こります。
搭載するだけを目的にした先走りメーカー製で暴走や乗っ取りが起こり、EV見限りの今のように世界が目を覚ますまでがセット