中古車を選ぶ際に最も難しいのが、車両コンディションの見極めではないでしょうか。目に見える内外装の状態だけでは、クルマの真の状態は判断しにくいものです。ノルマは決して安い買い物ではなく、中古車だからこそ確かな目を持って選びたいところ。そこで見た目だけに頼らない、中古車選びのテクニックをお伝えしていきます。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(keleny@Adobe Stock)
走行距離が短い=良いクルマではない?
日本人の年間平均走行距離は、毎日クルマを通勤などで使っている人で約1万km、休日のレジャー使用だけなら6000km程度が一般的です。都市部に住む人ほど、年間走行距離はさらに短くなる傾向にあります。
まずは、この平均値を知っておくことが重要です。クルマは乗りすぎたらダメージが進行すると考え、中古車選びではできるだけ走行距離が短いものを選びがちですが、クルマは乗らなさすぎても、ダメージを抱えている可能性があることを知っていますか。
特にエンジンの状態を測る上で、走行距離が短すぎるクルマには危険サインが潜んでいるかもしれません。
走行距離が短すぎる危険性
なぜ走行距離が短すぎるとダメなのか。その理由の一つに挙げられるのが、エンジン内部で起こる腐食やスラッジ(エンジン内部に溜まった燃えカス)の蓄積です。これらは短距離運転と長期間の放置によるエンジンオイルの状態悪化で発生します。
エンジンオイルを決まった期間で交換していればいいのですが、低走行車の場合、エンジンオイル交換の目安とされる距離数に到達していないからと、オイル交換が行われていないケースが多いのです。走っていなくてもオイルの劣化は進むため、半年に1回程度は交換しておきたいところ。
また、低走行距離のクルマは短距離走行を繰り返す傾向があります。短距離走行ではエンジンの始動と停止が短時間に繰り返されるため、エンジンやスターター等に余計な負荷がかかることも。その結果として、低走行がゆえにエンジンの寿命を短くしている可能性があるのです。
さらに低走行のクルマで気をつけたいのが修復歴です。重大な事故によって大がかりな修理をしたクルマは、長期間動かしていないことが多いため、年式の割に低走行ということがあります。このあたりもしっかりと確認しておきたいポイントです。
中古車として売りに出されているクルマが、初度登録から3年経過しているのに走行距離が5,000km以下などという場合は注意サイン。このようなクルマは購入前に、前のオーナーがどのような使い方をしていたのか、整備はどうなっていたのかを必ず確認すべきです。
年間平均走行距離を大きく下回るような低走行車を購入する際には、細心の注意を払いましょう。
クルマのカルテから状態を読み解く
クルマの歴史を知る上で重要な資料が点検整備記録簿です。記載内容は難しいですが、勘所を押さえておけば中古車選びで非常に役立ちます。
点検整備記録簿は、クルマの定期的な点検やメンテナンスの履歴を記録した書類のことです。点検を行った日付、交換部品や調整箇所などが細かく記載されており、クルマの状態を把握する上で参考になる、言わばクルマの「カルテ」になります。
実車の状態を見るのと同じくらい、点検整備記録簿を読み解くことがクルマの状態把握につながるのです。定期的な点検や適切なメンテナンスが行われているクルマには必ずついているのが点検整備記録簿。状態の良いクルマを選ぶための第一関門として、点検整備記録簿の付帯を条件にしたいくらいです。
具体的なチェックポイントとしては、点検を行った場所はどこなのか(同じ場所か)、点検を受けているサイクルは一定かなどを確認しておくといいでしょう。これがあるだけで、中古車の信頼度は大きく上がります。
現車確認を重視しがちな中古車選びですが、初度登録からの経過年数と走行距離、そして点検整備記録簿といった数値や情報が、実はとても重要です。書類や数値をしっかり読み解き、失敗のない中古車選びをしていきましょう。
見た目の綺麗さに惑わされず、データと記録から真の状態を見抜く。これこそが、賢い中古車選びの秘訣なのです。
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