競合と代替・両極端な顔を持つ道南バスの苫小牧〜静内線……2025年後半の様子を見てきた!!

競合と代替・両極端な顔を持つ道南バスの苫小牧〜静内線……2025年後半の様子を見てきた!!

 大部分が廃止されたJR北海道の日高本線。廃止区間には代替バスが複数の路線に分割した上で活躍中で、現在日高線の終着駅になっている鵡川と、そこから先の静内までの間を担当するのが道南バスだ。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、道南バス苫小牧〜静内線の写真があります)

■道南バスの苫小牧〜静内線

鵡川駅に迫る苫小牧方面からの普通列車(2024年の様子)
鵡川駅に迫る苫小牧方面からの普通列車(2024年の様子)

 JR日高線の苫小牧(とまこまい)〜鵡川(むかわ)間30.5kmは、2026年1月現在も存続している。昔のように鵡川から先の静内(しずない)・様似(さまに)方面へ行く場合、まず日高線で鵡川駅まで乗っていき、そこで道南バスの静内行きに乗り換えができる。

 しかしこの道南バスの路線、鵡川駅は始発ではなく途中の停留所になっていて、日高線の列車の始発でもある苫小牧駅前に直通しているため、鉄道にこだわらなければバスだけで完結できたりする。

鵡川駅は鉄道と代替バスの乗り換えポイント
鵡川駅は鉄道と代替バスの乗り換えポイント

 となれば苫小牧〜鵡川間はJR線と運転区間が重複するため、バスの性質的には鉄道と“競合”の関係にあると言える。

 一方、鵡川を過ぎて静内方面へと入った途端、競合関係だったものが鉄道の“代替”へと立ち位置が激変するという、なんとも両極端な顔を持っていることになり、このバス路線最大のユニークポイントと捉えておきたいところだ。

JR苫小牧駅前。以前は向かいのビル(今は廃墟)と連絡橋で繋がっていた気がしたが、撤去された模様
JR苫小牧駅前。以前は向かいのビル(今は廃墟)と連絡橋で繋がっていた気がしたが、撤去された模様

 道南バスの同路線に系統番号はなく、路線名も特に固有のものがないようで、ここでは便宜的に運転区間から「苫小牧〜静内線」と記載している。

■競わない競合です

 道南バス苫小牧〜静内線の平日ダイヤを見ると、苫小牧→静内行きの全区間便が1日6本と、苫小牧→平取行きが1本。

 逆向きの静内→苫小牧行きは5本で、このほか静内→鵡川止まりが2本と、静内→富川止まりが1本、平取→苫小牧行きが1本ある。

札幌行きの高速バスやフェリーターミナルの連絡バスも来る苫小牧駅前バス停
札幌行きの高速バスやフェリーターミナルの連絡バスも来る苫小牧駅前バス停

 なお苫小牧〜鵡川間は一応JR線との競合と前述するにはしているが、これはあくまで性質の面白さという見方での話で、列車/バスが始発を同時刻に同時発車するといった、本当に競り合うようなダイヤは組まれていない。

 ただでさえ公共交通の細いエリアゆえに、時間帯に応じて列車/バスを柔軟に切り替えて使える、競合しない競合路線というのも最近は各地でたまに見かける。

1番乗り場から出発! シンプルな行き先を掲げた道南バスの苫小牧〜静内線
1番乗り場から出発! シンプルな行き先を掲げた道南バスの苫小牧〜静内線

 鵡川駅での列車/バスの乗り換え状況はどうかと言えば、2026年1月現在のダイヤ準拠で、苫小牧→静内方向ではどの便も1〜2時間ほど待ちが生じる。

 静内→苫小牧方向の場合、朝の2本と終バスは鵡川での日高線接続が数分くらいで割とスムーズ。それ以外は大体1時間くらいのインターバルだ。

■道南バス苫小牧〜静内線の気になる経路

 2025年9月に、日高線の代替バスの現況がどうなったか様子を見に現地へ赴いて、この時は時間の都合でJR線の鵡川乗り換え作戦を使わず、苫小牧から道南バスに乗り全区間を利用することにした。

 苫小牧駅前17:00発の便を狙いバス乗り場で待っていると、現れたのは車体のグリーンが映える道南バスの大型路線車。

9月の終わり、鵡川駅に立ち寄る頃にはもう辺りが暗くなっていた。ブレちゃった
9月の終わり、鵡川駅に立ち寄る頃にはもう辺りが暗くなっていた。ブレちゃった

 車種は現行顔の三菱ふそうエアロスターだった。「静内」とだけ表示された超シンプルなLED表示器がよく目立つ。

 苫小牧から直接この路線に乗ったことがなかったので、途中の鵡川までどのような経路を辿って進んでいくのか気になりつつも楽しみにしていた。

富川高校前にて。写真のバスは恐らく旧国鉄富内線の代替交通を兼ねているハズ
富川高校前にて。写真のバスは恐らく旧国鉄富内線の代替交通を兼ねているハズ

 バスが出発すると、苫小牧駅の隣にある沼ノ端駅まで、JR千歳線の線路を並走。沼ノ端を過ぎると右折して日高自動車道の脇を通る国道235号に入った。

 それから道道259号→上厚真→道道287号→浜厚真周辺→国道235号に戻り、日高線の線路に並行しながら7kmほど真っ直ぐ進んで、日高線の現状の終点になっている鵡川駅前に立ち寄った。

最初は15人くらい乗っていたが、終点が迫る頃には他のお客さんは誰もいなくなっていた
最初は15人くらい乗っていたが、終点が迫る頃には他のお客さんは誰もいなくなっていた

 JR線を使った場合、苫小牧〜鵡川間の所要時間は30分であるが、路線バスは列車ほど速度を出せないのもあり1時間10分前後かかる。

 鵡川駅を後にすると、町中に入るたびに脇道に逸れる場所が少々あるのを除き、基本的には海岸線に沿って敷かれた国道235号・優駿浪漫街道をメインルートを道なりに進んでいく。

この駅跡には立ち寄りません(2012年の様子)
この駅跡には立ち寄りません(2012年の様子)

 代替バスの性質を持っていることから、鉄道時代に駅があった場所には一応立ち寄る。とはいえ、駅前にビッタリ付けるのではなく、駅跡の近くを通るくらいで、国道から離れた位置にあった駅への立ち寄りは行っていない様子だ。

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