バスのお仕事とは、なにも運転士だけではない。貸切バスのバスガイドも重要な職業だ。現役バスガイドが楽しく真剣に仕事の魅力や大失敗談を赤裸々に語る「へっぽこバスガイドの珍道中」、今回は苦しいけど、しんどいけど、バスガイドの仕事が大好き!というお話である。
文/写真:町田奈子
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■今だからこそ伝えたい、バスガイドの仕事
バスガイドって、高卒の人がやる仕事でしょ?」「若いうちだけやって、結婚したら辞める仕事じゃないの?」 「体力勝負で大変そう…」等々、そんなイメージを持つ人は少なくないだろう。
確かに、朝は早いし夜は遅い。勤務時間も毎日バラバラ。体力だって使う。でも、それでも私は言いたい。「やっぱり私は、バスガイドが好きだ!」と。その理由をお話ししよう。
■同じ一日が、ひとつもない仕事
バスガイドの毎日は、とにかく変化に富んでいる。同じルートでも、同じお客様はいない。同じ景色でも、天気が違えば空気も違う。多動気味な私にとって、毎日オフィスでじっと座って働くよりも、今日もどこかへ向かうこの仕事は、今だから言えることかもしれないが、まさに天職だった。
仕事をしながら美しい景色を見て、地域の美味しいご飯に出会い、ときには温泉に浸かる日もある。もちろん毎日がご褒美のような一日ではない。やりたくない仕事だってある。
しかし、やりたい仕事をするために積み重ねる時間もある。その先にある「今日は最高だった」という一日が、また私をこの仕事に引き戻すのだ。これがご褒美の正体ではないだろうか。
この記事をお読みになる読者の皆様は様々な職業に就いておられるだろうが、ほとんどの日々が地味で、苦しくて、やりたくないことだらけではないだろうか。その中に「ご褒美」のような日があるからやっていける、そんなものではないだろうか。
■バスガイドはカメレオン職?
私はよく思う。バスガイドは、カメレオンのような仕事だ。ある日は幼稚園の先生、またある日は、小学校・中学校・高校の先生、ときには介助員やヘルパーさん、そして、ときには歌のお姉さんにもなる。
お客様の年齢層は本当にさまざまで、その日その日のメンバーに合わせて話し方も、声のトーンも、内容も全部変える。子どもたちにはできるだけわかりやすく、イラストを描いて見せることもあれば、なぞなぞや手遊び、脳トレで盛り上げることもある。
「ガイドって、そこまでやるの?」と驚かれることもあるが、私はそれが大好きだ。車内が一体になって笑いが起きる瞬間や、子どもたちの目がキラキラと輝く瞬間等々、あの空気は何度味わっても飽きない。
■勉強に終わりがないという幸せ?
バスガイドは、一生勉強の仕事だ。歴史、地理、文化、食、伝説、地域の豆知識…。何年やっても「これで完璧」はないのだが、それがいいのだ。勉強した分だけ、自分の言葉に厚みが出るし、努力した分だけ、お客様の反応が変わる。
「楽しかったよ」「あなたでよかった」と言われるその一言で、何度も私は救われてきたのだ。正直言って、何度も辞めようと思ったこともある。次の日は仕事に行きたくないと布団の中で固まったこともある。
それでも、待っていてくれているだろうお客様がいるのだ。そして素敵なお客様に出会ってしまうと、「まぁ…もうちょい頑張るか」と思ってしまうのだから、不思議なものでもあるし、人が頑張れる原動力なのかもしれない。











