2025年を振り返り、「売れたクルマ」はなんだったのだろうか? 販売台数ランキングは「何がどれだけ売れた」かわかるだけでなく、日本車販売に何が起きているかを分析する助けにもなる。渡辺陽一郎氏の視点から読み解いていただこう。
※本稿は2025年12月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ホンダ、スズキ、ダイハツ、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年1月26日号
スーパーハイトワゴン&スライドドアが人気
2025年1~11月の販売ランキングは、1位がN-BOX、2位はスペーシア、3位はタントだ。
上位3車はすべて全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着した軽自動車のスーパーハイトワゴンだ。
4位も軽自動車のムーヴ+ムーヴキャンバスの合計で、全高は1600mm台だがスライドドアを装着する。2025年6月にはムーヴが一新され、ムーヴキャンバスも堅調だから順位が高まった。
ちなみに2025年1~11月に国内で売られた新車のうち、軽自動車が36%を占めた。しかも軽乗用車の半数以上がスーパーハイトワゴンだから、当然に上位を独占した。
ただしN-BOXの月販平均は1万6889台で、前年に比べて3%減った。先代型が好調に売れた2019年の同時期は、月販平均が2万1512台だから、2025年は21%少ない。現行型は内外装がシンプルで収納設備も削られコスト低減を意識させて人気も低下した。
アル/ヴェル人気で生産キャパは目一杯
5~8位はシエンタ、ライズ、ルーミー、ハスラーで、コンパクトなトヨタ車と軽自動車が続くが、9位にアルファードが入った。
売れ筋価格帯が550万~900万円の高価格車で、KINTOを除くと、受注の停止と再開を繰り返している。それでも月販平均7391台だ。価格の高さも考えると物凄い人気車になる。ヴェルファイアも月販平均約2800台で合わせれば約1万台だ。
興味深い車種は、11位に入った軽商用バンのアトレー&ハイゼットカーゴ。商用車全体に占める軽自動車比率は乗用車以上に多く49%に達する。
そのわりに薄利多売で車種が少ないから、アトレー&ハイゼットカーゴが上位にランクされた。23位のエブリイバンも同様の理由で、カローラクロスやアルトと同等に売れている。日本の物流で軽商用車が果たす役割は大きい。
12位のノアと13位のヴォクシーは、基本部分を共通化した姉妹車だ。両車を合計すると1カ月平均1万3249台でタントを上まわり、国内販売2位のスペーシアに迫る。しかもノア&ヴォクシーも、納期が約半年に遅延すると受注が停止する。さらに売れる底力があるのだ。
販売店では「ノア&ヴォクシーが受注を止めた時、お客様にシエンタへの乗り替えを促すことがある」という。シエンタが小型/普通車で最高位の5位に入った背景にも、ノア&ヴォクシーの受注停止がある。小型/普通車はトヨタで完結していると思える。
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