自動車産業で欧米諸国に遅れをとっていた日本メーカーのクルマは、1960年代後半に大きく躍進する。メカニカルな面でもデザイン面でも、世界と競い合う位置にまで日本を成長させた、1960〜1970年代の挑戦的な日本車をご紹介する。
※本稿は2026年5月のものです
文:片岡英明、清水草一/写真:マツダ、ホンダ、日産、トヨタ、いすゞ、スズキ、スバル、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
錚々たるニッポンのチャレンジャーたち
1960年代後半、日本の自動車産業は大きな伸びを見せ、メカニズムは高度化し、デザインも一気によくなった。そんな時代に、世界を驚かせた挑戦車の筆頭がマツダのコスモスポーツだ。
当時、ロータリーエンジンは開発に手間取って、多くのメーカーはサジを投げた。だが、マツダは世界で初めて2ローターのロータリーエンジンを実用化し、それを流麗なフォルムのスポーツカーに積んで市販に移している。ほかに類を見ない独特のパワーフィールも刺激的だ。
SとNはホンダの名車のDNA! 全てはココから始まった!
ホンダも4輪のデビュー時から挑戦的な作品を送り続けた。メカマニアの度肝を抜いたのが、緻密で高性能な4気筒DOHCエンジンを搭載したオープンスポーツカーのSシリーズだ。
商用車さえ買うのが大変だった1963年秋、オープンスポーツカーのS500を発売した。レーシングエンジンのように高回転まで回り、ギアの変速さえも楽しい。これはS600、そしてS800へと進化。レースでも大暴れしている。
Sシリーズに続くN360も破天荒な軽自動車だ。速い、広い、安い、と三拍子揃った軽カーで、時代を先取りしたFFのハンドリングはスリリングではあったが、新鮮でもあった。ATやサンルーフを設定し、N360からホンダ Zを誕生させたのも驚きである。
まさに日本車の象徴! この国にはスカイラインとGT-Rがある
3代目スカイラインに追加され、衝撃だったのがPGC10の型式を与えられた2000GT-Rだ。レースで勝つために、日本で初めてレーシングエンジン直系の直列6気筒DOHC4バルブを搭載した。これにソレックスキャブを3連装し、速い走りを引き出す。
セダンボディなのに最高速度は200km/hだ。これほどハイメカで高性能なセダンは、世界中のどこにも存在しない。これに続くハードトップGT-Rは、さらに官能的な走りだ。レースでもロータリー勢と激烈なバトルを繰り広げ、強い印象を残している。
旧車の代表格!? いまでも語り継がれる日本車
流麗なデザインと高度なメカで日本車の優秀性を世界にアピールしたのがトヨタ2000GTだ。
流れるようなクーペボディに格納式のリトラクタブルヘッドライトを組み合わせ、ボンネット内には高性能な直列6気筒DOHCエンジンを収めている。エアロパーツなしでも最高速度は驚異の220km/hだった。ルーフを切り取ってボンドカーになり、颯爽とスクリーンに登場したのも驚きだ。
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