歴代スカイラインGT-Rをこよなく愛し、そのうち何台かを所有するなど、かなり「ど真ん中」なクルマ好きの小川直也氏。「暴走王」に試乗をお願いするのはかなりのチャレンジでしたが、何度か誌面には登場済み。毎回クルマ好きとしてきっちりいい感想をいただけるのです。
今回はそんな小川直也氏に、話題の新型ミニバン・セレナe-POWERとそのライバル、ステップワゴンスパーダ&ノアハイブリッドを中心に試乗をお願いしました。どれが一番気に入ったかというと、意外や意外、飛び入りのあのクルマに……?
文:小川直也、ベストカー編集部
ベストカー2018年5月10日号より
■まずは話題の日産セレナe-POWER試乗
おれは茅ヶ崎の小川道場で子どもたちに柔道を教えているが、その時の送迎車はハイエース・コミューター15人乗り。マイクロバスみたいなヤツだけど、あれに乗っているからミニバンの乗り味にはうるさいぜ。
でかい男にはでかい男の理屈があって、スライドドアの乗り込みやサードシートの居住性、ドライビングポジションなど普通じゃないところを見せてやろうじゃないか。
一番興味があったのはセレナe-POWER。3気筒1.2Lにモーターを組み合わせたモデルだというけれど、しっかり走るのか? そこを確認したかった。
チルト&テレスコでポジションを合わせる。
俺の場合テレスコの付かないクルマはアウト。シートを一番後に下げても足がコンソールに当たってしまうので、しっかりしたポジションが取れないんだ。俺のポジションで女性が乗ったらステアリングにもアクセルにもまったく〝ノータッチ〟だと思う。
走り出したとたん「お~お~、こりゃおもしれぇ」とおもわず叫んでしまった。「ワンペダル」の強烈な加減速はクルマ好きのツボに刺さるね。
心配していた加速も、なるほどエンジンがモーターの発電に使われるとわかって納得。エンジンが回るとちょっとうるさいけれど、ワンペダルの加減速のほうに夢中になって気にならない。
ただし、ドライバーはいいけれど、乗せられているほうは、強烈な加減速に酔っちゃいそう。もちろん加減すればいいけれど。
■続いて新型ステップワゴンはどうか
続いて乗ったのはステップワゴンスパーダハイブリッド。
横開きのリアドアがかっこ悪いという人もいるが、俺はいいと思う。でかい男にとってサードシートは苦手な空間だが、後ろのドアから乗り降りできるのは便利このうえない。そのぶん少しバックドアの重量があり、上に開けようとすると重いと感じるかもしれない。もちろん俺なら指一本で開けられるが……。
そして走りのほうは高級感たっぷり。ギャップの乗り越えでも乗り心地はフラットでサスペンションがよく動いている感じ。セレナe-POWERよりも気持ちいいけれど、価格が400万円近いのはどうなのよ?
■販売台数ならトップのノアハイブリッドSi
3台目はノアハイブリッド。
ドライビングポジションは悪くないけれど、インテリアが正直すぎてつまらない。セレナやステップワゴンは視線が移動しにくい位置にレイアウトされたデジタルメーターなのに対し、こちらは通常の位置にあるアナログメーター。好みはあるけれど、ミニバンも長距離乗ると集中力が落ちたりするので、デジタル表示のほうがいいのかもしれない。
走りのほうはいたって普通、というか先の2台に比べてパワー不足。燃費重視のハイブリッドなのだろうけれど、パンチがない。俺みたいなのが6人乗ると箱根の山を上る時の加速はどうなるのか? 余計なお世話だが心配になった。
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