■三列目までしっかり座ってチェック
さて気になるサードシートチェックだが、たまたま取材地の富士スピードウェイに遊びにきていた静岡県の海野彪真くんにも手伝ってもらった。今度中学生になるというが147cm、52kgとなかなかの体型。体格を見込んで柔道をやろうとスカウトしたが断られた。卓球好きらしい。張本人気恐るべし。
3台のなかで唯一床下収納できるステップワゴンはシートの厚みが少ないぶん快適性は落ちる。ただし、サードシートの収納はワンタッチ。
ノアとセレナはともにハネ上げ式で座面の厚みもあって快適さはほぼ互角。ノアのほうがサードシートの固定は簡単な印象だがセレナはフットペダルでセカンドシートが前にスライドでき、ガラスハッチを採用するなど芸の細かさでは一枚上か。
結論をいうと自分が運転するならセレナe-POWER、家族で乗る機会が多い人にはステップワゴン、燃費が気になるならノアだ。
※小川直也の満足度…セレナe-POWER 85点/ステップワゴンスパーダハイブリッド 80点/ノアハイブリッドSi 75点
■新型ハイラックスにも興味津々
普段の足はCX-5の後期型ディーゼル。トルクがあって柔道仲間を乗せて箱根を走っても力不足は感じない。
ハイラックスはどうだろう? 乗用車と比べるとさすがに振動や騒音は大きいが、ピックアップで音が静かなのは逆にヘン。
リアが板バネのサスペンションもダブルキャブなのに500kgも積めることを考えれば納得。俺の周りじゃ体重100kg、120kgは当たり前。もちろん荷台に乗るわけじゃないが、最大積載量500kgは安心感がある。
乗り心地も昔乗っていた初代ビッグホーンの荒々しさにくらべると物足りないくらい。アメリカじゃNASCARにフルサイズピックアップのタンドラが参戦して人気を集めているけど、日本人も細かいことにこだわらず、ピックアップを愛車にすると人生変わると思うよ。
特に100kgオーバーのビッグマンにはオススメ。テンガロンハットでも被って乗れば「ハンサム」に見えるはず。新車じゃなくて、錆だらけになった時にハイラックスはいい味出すと思うな。田舎暮らしでも始めた時には重宝しそうで1台欲しいね。
※小川直也の満足度…ハイラックス 85点
■お客さんの愛車スターレットを交渉してその場で試乗
富士スピードウェイのドリフトコースで試乗していたら懐かしのEP71〝かっとび〟スターレットを発見! しかも〝韋駄天〟ターボならぬ「Si」12バルブ仕様。こいつを拝めるとは望外の幸せ。しかも、外観ほぼノーマルに思わず「乗せてくれ!」と直談判。
オーナーは優しそうな方で、助手席には俺の子ども時代を思い出させるぽっちゃり体型の男の子。
「あ、ゲイノウジン、ゲイノウジン……。う~ん」とうなるばかり。俺もたいして有名じゃないなと思ったら、いきなり「最初はグー!」と挑んでくる。そうなれば、子ども相手でも容赦はしねえ。「男気じゃんけん」の最終勝者として完膚無きまで叩きのめすまで。大人げないといわれようが、3戦3勝してやったぜ。
昭和60年、1985年製というから33年前のクルマだけど、大事に乗っているだけあってシートもしっかりしていて驚くほど。ただし、193cmの俺が乗ると座敷に入るように身をかがめなければならない。サンルーフがあって、しめたとばかりに開けると目がルーフの上に出て、視界良好。潜望鏡のようで、すれ違うクルマのドライバーを驚かせてしまいそうだが、俺としてもなかなか新鮮だった。
乗り味はダンパーもへたっていないし、車重たった730kgという軽さもあってポニーの全力疾走という感じ。重ステだけど、俺的にはまったく問題ない。絶対的な速さはないけれど、速いと思わせる。現代のクルマは剛性感やハンドリング云々とうるさいけれど、この軽さこそが今のクルマにない味を生むことを思い知らされた。大満足だ!!
※小川直也の満足度…スターレットSi(1985年式)100点
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