北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第49回は、北海道を車で旅する人にはぜひ走ってほしいドライブルートを紹介します。
日本最大の国立公園である大雪山国立公園の北側を通る大雪国道の両側には、この土地ならでは、そして、この季節ならではの絶景が広がっています。
写真・文/佐藤圭
【画像ギャラリー】大雪国道の両側に連なる奇岩と紅葉のコラボレーション!
大雪山の火山と石狩川が生み出した絶景
今回は、絶景が広がる北海道のおすすめドライブルートをご紹介いたします。
北海道第二の都市・旭川から、オホーツクの流氷で有名な網走に到る国道39号線は、大雪国道と呼ばれています。
旭川の中心部から東へ向かって走ること約1時間半、知る人ぞ知るラーメンの町・上川町の市街地を抜けると、そこは、北海道有数の湯処・層雲峡温泉です。
この層雲峡温泉の前後20km以上にわたって、延々と絶景が続くんです。
国道は、大雪山系を源とする石狩川に沿って進みますが、左右には、柱状節理という奇岩の断崖絶壁がそそり立ち、層雲峡渓谷と呼ばれています。
柱状節理というのは、地下のマグマや火山が噴火して流れ出した溶岩流、火砕流が冷え固まるときに、三角形から六角形の柱状になるという不思議な岩の総称です。
火山国の日本では全国各地で見られますが、福井県の東尋坊や宮崎県の高千穂峡あたりが有名ですね。
層雲峡の渓谷は、数億年前の大雪山の噴火でできた柱状節理が、長い年月をかけて石狩川によって浸食されて形成されたものだと考えられています。
この渓谷の紅葉は、山の上の紅葉に負けず劣らずの美しさです。柱状節理の奇岩と紅葉のコントラストは自然が作り出した芸術品です。
思わず見惚れてしまうほどの美しさなので、移動中は運転に集中して、紅葉の絶景を眺めるのは駐車帯に止めてからにしてくださいね。
層雲峡渓谷の紅葉が終わる頃には、いよいよ北海道全域の平地にも紅葉が下りてきます。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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