マツダを救うか? 一気に最先端へ! 新型CX-60に搭載される新技術5つの進化

マツダを救うか? 一気に最先端へ! 新型CX-60に搭載される新技術5つの進化

 2022年3月8日、マツダは新型ミッドサイズSUV「CX-60」を、欧州で初公開しました。同日に、マツダ初のプラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」を搭載したモデルの受注を開始、今夏の発売を予定しています。今回のCX-60は、マツダが進めるFRラージプラットフォームを採用した第1弾のモデルであり、欧州に続いて、日本でも4月上旬に公開される予定です。

 多数の新技術が搭載されている、今回のCX-60。なかでも、特に注目される新技術5つを紹介します。

文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:MAZDA

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力強い走りと優れた環境性能を達成した、マツダ初のPHEV

 今回受注開始となったCX-60に搭載されるプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」は、2.5L 直列4気筒直噴ガソリンエンジンと最高出力100kWのモーターを組みあわせ、新開発の8速ATを連結したFRベースの4WDシステムです。駆動バッテリーの容量は17.8kWh、モーターとエンジンを合わせたシステム全体の最高出力は327PS/最大トルク500Nmに達し、0→100km/加速では5.8秒と力強い走りを実現します。

 WLTPモード燃費は66.7km/L、CO2排出量33kgで、車速100km/h以下であれば、満充電時のEVモード航続距離は53kmという優れた環境性能も達成しています。すでに日本で高い人気を獲得している三菱のアウトランダーPHEVやトヨタのRAV4 PHVにとって、今回のCX-60 PHEVが強力なライバルになることは間違いありません。

国内では採用例がない48Vマイルドハイブリッドは、直6とディーゼルで!!

 優れた性能を発揮するCX-60 e-SKYACTIV PHEVですが、課題はやはりコスト。英国での価格は日本円で672万円~で、日本での価格も、500万円以上になることは避けられないでしょう。これよりももう少し廉価なパワートレインとして設定されるのが、48Vマイルドハイブリッドを組みあわせた3.0L直6ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X」と、3.3L直6ディーゼルエンジン「e-SKYACTIV D」の2種類。

  日本では、マイルドハイブリッドと言えば軽自動車や小型車で普及している12Vマイルドハイブリッドですが、比較的大きなクルマが多い欧州では、モーターの駆動電圧を上げて高出力のモーターが使える48Vマイルドハイブリッドが一般的です。CX-60も、欧州市場を意識していること、比較的大きなミッドSUVであることから、48Vマイルドハイブリッドが採用となっています。

 その48Vマイルドハイブリッドに組み合わせられる直6エンジンは、マツダは以前から開発していることを公表していましたが、ついに実装されるまでに至りました。マツダの2021年11月決算発表時の資料によれば、直6パワーユニットは、遅くとも2024年までには導入する計画とのことです。

 直6エンジンは、スムーズなエンジン回転と優れた振動特性、澄んだ排気音が魅力で、高級エンジンの代名詞となっているエンジンですが、縦方向に長いために搭載が厳しく、衝突時のクラッシャブルゾーンも確保できないことから、現在国産の直6エンジンは絶滅状態となっていました(スープラの直6はBMW製)。マツダは今回、これらの問題を解決して、直6エンジンの商品化を実現。久しぶりの国産直6エンジンがどのように仕上がっているのかは、非常に楽しみなところです。

 ディーゼルエンジンのほうも注目で、ディーゼル車のストロングハイブリッド化は、燃費向上効果は大きいものの、非常に高価なパワートレインになるため、これまで敬遠されてきましたが、比較的簡易でコストをかけずにハイブリッド化ができるマイルドハイブリッドなら、ディーゼル車のハイブリッド化も現実的となる、ということで今回、CX-60に搭載されました。

 日本のディーゼル車のシェアは、現在増えず減らずの停滞気味ですが、48Vマイルドハイブリッドが、ディーゼル車が増えるきっかけになるのではと、期待をしています。

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