道路でタイヤが浮かんだまま走っているトレーラを見たことがあるだろうか? 初めて見て、ドキッとした方もいるかもしれないが、それは「リフトアクスル」という機能。文字通り車軸(アクスル)を浮かせる(リフト)ものだ。
リフトアクスルは、日本のトレーラはもちろん、欧米ではトラック/トレーラに幅広く採用されているもの。燃費向上やタイヤ摩耗低減などに寄与するが、日本には、ほかの国や地域には存在しない、とてもありがたいメリットが存在するという。
一体どんなメリットがあるのだろうか? 知られざるリフトアクスルの秘密に迫った!!
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/各メーカー、トラックマガジン「フルロード」編集部
【画像ギャラリー】日米欧のトラックが大集合!! 世界のさまざまなリフトアクスルのバリエーションを比べてみよう!!(6枚)画像ギャラリーそもそもリフトアクスルとは?
リフトアクスルは、空車時や軽量貨物積載時など、車軸にかかる荷重が軽い時に、自動的に車軸をリフトさせ、タイヤが接地しないようにするシステム。車軸にかかる荷重がある限度を超えて重くなると、自動的に車軸が降りてきて、荷重を分散させる。
どうしてタイヤを浮かせるのかというと、接地するタイヤの本数が減ることで、路面抵抗が少なくなり、結果として燃費が良くなるから。また、タイヤやブレーキパッドの摩耗を低減することにもつながる。
機械制御式、電子制御式の2タイプが存在し、近年は電子制御式が主流。どちらも車軸の荷重を監視し、既定値を超えるまたは下回る場合に、エアサスのエアバッグの膨らみ方を調節して、車軸のリフトまたはダウンを行なう。
国内では実質的にエアサスペンション式の2軸/3軸セミトレーラ専用の装備となっているが、欧米では単車/連結車を問わず幅広い車両が採用。車軸を増やすことでより大きな車両総重量が得られるアメリカでは、積載量を稼ぐためリフトアクスルを活用する特装車も存在する。
いっぽう、日本は車軸を増やしても車両総重量を増やすことができないため、単車へのリフト・アクスル採用はない。ちなみに、日本で一番最初にリフトアクスルを製品化したのは、NIPPON EXPRESSホールディングス子会社のNX商事(旧:日通商事)とされている。
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