車選びは複数モデルを比較して、最終的に1台を選ぶケースがほとんど。もちろん、最初から1車種狙い撃ちという買い方もあるけれど、特に競争の激しいジャンルのモデルたちは実力も拮抗して優劣がわかりづらい。さらに、競合する車種同士を比較検討することで、値引き幅アップを狙えるというメリットもある。
そうした競合するガチンコの対決からジャンルを飛び越えた対決まで、今注目の国産車を3車種で比較。SUV、軽・コンパクト、ミニバンなど人気ジャンルで選ぶべきモデル、注目車の長所・短所は?
文:片岡英明、国沢光宏、渡辺陽一郎
写真:編集部
ベストカー 2018年9月10日号
新型フォレスターはCX-5、ハリアーより良い?
【TEXT・評価/片岡英明】
◆エントリーリスト
・スバル フォレスター/280万8000~309万9600円
・トヨタ ハリアー/294万9480~495万3960円
・マツダ CX-5/249万4800~352万6200円
3車ともクロスオーバーSUVだが、最もラギッド感が強く、オフロードに似合うのはフォレスターだ。
ハリアーとCX-5はアーバン感覚が強く、オンロード派のイメージが強い。
実際、悪路や雪道での走破性能は、最低地上高をたっぷりと確保したフォレスター、CX-5、ハリアーの順になる。ハリアーのターボ搭載車は最低地上高160mmだから悪路は捨てた。
オンロード性能もフォレスターとCX-5の洗練されたハンドリングが光る。CX-5は新型になってシャキッとした乗り味を手に入れた。
が、スバルグローバルプラットフォーム(※インプレッサからスバルが採用した新プラットフォーム)を採用したフォレスターは、その上をいく。
デザインは古典的だが、意外にも走り味は軽やかだ。狙いどおりに気持ちよく走れ、乗り心地を含め、大人っぽいSUVに仕立てられている。
ハリアーは2Lのターボエンジン搭載車にパフォーマンスダンパーを採用し、スポーティ度を高めた。が、シャシー性能に物足りなさを感じる。ただし、キャビンは居心地がいいし、ハイブリッド車は燃費のよさも群を抜く。
CX-5にはトルクが豊かなディーゼルターボがあるが、ガソリンエンジンは平凡な実力だ。2.5L同士で比較するとパンチ力、滑らかさ、静粛性など、及ばない点が多い。
フォレスターは後席の快適性もハリアーと互角のレベルにある。燃費ではライバルに負けているが、アイサイトに代表される先進安全装備は一歩先をいく。トータル性能と買い得感も高いレベルだ。
◆3車の採点
スバル フォレスター/85点
マツダ CX-5/80点
トヨタ ハリアー/75点
軽&コンパクトのNo.1は?
【TEXT・採点/渡辺陽一郎】
◆エントリーリスト
・ホンダ N-BOX/138万5640~208万80円
・日産 ノート e-POWER/190万1880~275万8320円
・トヨタ アクア/178万5640~208万80円
この3車種は今の売れ筋モデルだ。N-BOXのグレードを「カスタムG EXターボ ホンダセンシング」にすると、価格は約195万円だから、ノート e-POWER「X」(約202万円)、アクア「G」(約205万円)に近づく。
居住性や積載性は、軽自動車ながらN-BOXが1位だ。室内幅は狭いが、エンジンルームを短く抑えて有効室内長を伸ばし、天井も高いから大人4名が快適に乗車できる。後席を畳めば自転車も積める。
2位は僅差でノート e-POWERだ。全高を立体駐車場が使える高さに抑えたから、大きな荷物は積みにくいが、居住性は後席を含めてN-BOXと同等かそれ以上に快適だ。3位はアクアで、天井が低く後ろに向けて傾斜するから、後席と荷室が狭い。
走行性能はアクアが1位だ。低重心で車両重量は1090kgと軽く、加速が活発だ。安定性も優れ、峠道では機敏な走りを楽しめる。
2位はノート e-POWER。カーブを曲がる時にはノーマルエンジン車よりも180kg重い1220㎏の車両重量を意識するが、加速感は滑らかでノイズも小さい。3位はN-BOXだ。
乗り心地は3車種ともに横並び。軽自動車のN-BOXは不利になりそうだが、足回りとシートを巧みに設定して、小型車と同等になった。
結論は高機能なN-BOXが1位だ。2位は居住性が快適で加速も滑らかなノート e-POWER、3位がアクアになる。
◆3車の採点
N-BOX/90点
ノート e-POWER/78点
アクア/71点
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