新車ディーラーでまるで当たり前のように勧められるマットとバイザー。フロアマットは多くの人が純正品を選ぶが、バイザーはといえば現在はそれほど必要としないひとが多い傾向にある。
バイザーは雨天時などにも濡れずに換気できるというメリットもあるが、なにより愛煙家が好むモノでもある。でも今って喫煙者減少していますよね? なんで当たり前のオプションが今も昔も変わらんのだ!?
文/佐々木 亘、写真/AdobeStock(トップ画像=sora_nus@AdobeStock)
■喫煙率とバイザー装着率は関係なし!? 国産は6割以上が未だ選択のなぞ
厚生労働省国民健康・栄養調査における成人喫煙率は、平成元年では男性で55.3%だった。それが、令和元年には27.1%まで減少している(女性は平成元年が9.4%、令和元年は7.6%)。
では、サイドバイザーの装着率はどうだろうか。国内メーカーの販売店で、平成の初期から働く営業マン達へ聞いてみたところ、今から約30年前には体感として7割から8割弱程度の装着率だったと回答があった。では、令和の現在ではどうか。今でもサイドバイザーは6割強のお客様が装着するそうだ。
タバコを吸うユーザーが、喫煙時に雨でも窓を開けるため、必要だと思われていたサイドバイザーだが、サイドバイザー装着率と喫煙率は関係が薄い。なかには、サイドバイザーの装着率が非常に少ない販売店もある。それは輸入車ディーラーやレクサスだ。
筆者が営業マンをやっていたレクサスでは、新車購入時に2割から3割程度しかサイドバイザーを装着していない。また、新型車の研修会に行くと、「今回のクルマはデザインに自信があります。できればサイドバイザー無しで乗っていただきたいというのが、デザイン担当の願いですね」という言葉も出るくらいだ。
そのため営業マンもサイドバイザー装着ありきで商談をしない。サイドバイザーが必要な理由を聞き取りしてから、オプションに入れるようにしていた。国内メーカー系のディーラーでだけ、高止まりし続けるサイドバイザー装着率の謎。この数字を支えるのは、販売側なのかそれともユーザー側なのだろうか。
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