猛暑が続いた8月が終わると、9月10月の秋雨シーズンがやってきます。雨の日にクルマで移動する際、欠かすことのできない装備といえばワイパーですが、ワイパーはこの時期、夏の強い日差しによって劣化が進んでいることがあり、いざ雨の日に使おうとすると、あれ、ちゃんと雨粒をぬぐってくれない…なんてことも。
9月10月は、秋雨と同時に台風シーズンでもあり、大雨の際にしっかり雨粒をぬぐってくれないことは、大変危険。いざというときのため、ワイパーの交換方法や交換タイミング、使い方などをおさらいしておきましょう。
文:吉川賢一
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写真:Adobe Stock、写真AC
ワイパーは、ブレードごと交換が適切
雨の日の視界確保には欠かすことのできない「ワイパー」。しかしワイパーは、夏は強い日差しに、冬は過酷な冷気のもと、雨や風などにもさらされっぱなしという過酷な状況におかれているため、劣化の早いパーツでもあります。
「ワイパー」は、ワイパーアーム、ワイパーゴム、そしてワイパーブレード、この3つのパーツで構成されています。ワイパーブレードとワイパーゴムをセットで「ワイパ ーブレード」とよぶこともあり、カー用品店などではセットで販売されていることが多いです。劣化が見た目で分かりやすいのはワイパーゴムですが、ワイパーゴムがしっかりとフロントガラスに密着するように、ゴムに圧力をかける役目をするワイパーブレードも劣化の早いパーツです。
ワイパーは、紫外線や大気中の酸、砂やほこり、経年劣化などによって、使用していなくとも、確実に劣化していきます。特にワイパーブレードは、曲率を持ったガラス表面に密着できるよう、ある程度しなるようにつくられているため、例えば、雪が厚く積もったフロントウィンドウを、むりやりワイパーで払おうとすると、カンタンに曲がってしまいます。曲がってしまうと、ガラス表面に密着できなくなるため、いくらワイパーを動かしても、水滴をぬぐうことができなくなってしまい、雨の日の視界確保ができなくなってしまうことも。ワイパーブレードは、ワイパーゴムとセットで交換する、と考えたほうがよい部品です。
ワイパーは誰でもすぐに点検することができる、もっとも基本的なクルマの安全装備です。一般的には、「一年に一回はワイパーブレードごと交換するのが望ましい」とされていますが、使用環境によって差はあります。
拭き取り不良は油膜が原因の場合も
ワイパーを動かした際、拭き痕にスジが残るようならば、まずはワイパーゴムを確認し、ゴムが劣化していないか、確認します。その後ワイパーブレードを確認し、変形などしていないか、確認します。ブレードのジョイント部の固着も疑わしいです。ゴムやブレードに目立った異常がない場合、拭き取り不良の原因は、フロントガラスに付いた油膜や、撥水コーティングが影響している場合もあります。筆者の経験だと、ワイパーの不具合よりも、油膜が原因になる方が多いです。
フロントガラスの油膜除去については、一般的には、磨き液をガラスにつけてスポンジで磨くタイプが効果的ですが、施工する余裕がない方は、ウェットシートタイプの油膜除去シートがお薦めです。洗車をしたあとに、「さっ」とガラス面を拭く程度の手軽さです。スポンジで磨くタイプには劣りますが、効果は十分に体感できます。
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