これまで私は50数台のクルマを買ってきた。欲しいクルマが現われると矢も楯もたまらず現物に突進してきた。その結果が50数台。しかもそのうちフェラーリが13台、ランボルギーニが2台だ。我ながら「よくがんばったぞ、お前!」と声をかけたくなる。
しかしさすがに年も年。収入は減る一方だし、120回ローンなんて怖くて組めやしない。そんなに現物を買っていられない。
しかも世の中半導体不足やら人手不足やら原材料高やら円安やら気候変動やらで、新車の供給が追い付かず、買いたくても買えないクルマが出始めている。納車待ちも信じられないほど長くなり、その影響で中古車相場もドンと上がった。もう勢いまかせで後先考えずにクルマを買える時代は終わったようだ。
しかし我々にはイマジネーションという武器がある。自由で強力な妄想力を駆使すれば、買わなくたって満足できる! さあ飛び立とう、妄想の翼でクルマ好きの天国へ!
※本稿は2022年8月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年9月26日号
■新型クラウンクロスオーバー VS 中古クラウン(6代目クラウンマジェスタ)
●新旧クラウンどっちにしよう? それがマニアの分かれ道
俺には、クラウン(トヨタ)に対する強い憧れがある。それはつまり「公権力」に対する憧れだ。「制服」への憧れと言ってもいい。
サラリーマンはヒラで退社、その後フリーライターとして過ごしてきただけに、公権力や制服(中高生時代のガクランを除く)とはほとんど無縁で生きてきた。
死ぬまでに一度はクラウンに乗って、「覆面!?」と思われてみたい!! フツーに高速を走っているだけで、周囲のクルマがみるみる減速するのを見て楽しみたいっ!
そう思い続けてきたが、クラウンを買う勇気はついに湧かなかった。やっぱり自分の趣味とは360度、いや540度くらい違うから。
ところが! 新型クラウン「クロスオーバー」を見て電気が走った。こ、これは俺の趣味じゃんか! 俺の趣味に合うクラウンが出るなんて信じられん! うおおおおおお、これを買って男の花道を飾りたい!
しかし、コレで高速を走っても、誰も警戒してくれそうにない。将来的にも、クラウンクロスオーバーが覆面パトの入札に参加するとは思えない。それじゃクラウンの意味ないじゃん!
やっぱり俺の憧れのクラウンは覆面パト系! 乗り味の甘美さを含めて考えると、その頂点は6代目、最終クラウンマジェスタ(トヨタ)だ! 中古車なら200万円台! ホントは全然趣味じゃないけど!
趣味を取るか、憧れを取るか!? 男としてどっちを選択すべきか!? うーん、死ぬまで迷い続けよう! どうせ妄想なんだから!
●支払いシミュレーション…新型クラウンクロスオーバーを買うなら、グレードは「RS」か「RSアドバンスド」以外ない! なぜなら、パワートレーンが2.4Lターボの6ATハイブリッドだから! 超パワフル&スポーティで、トヨタ製ハイブリッドカーの新境地と噂されているぜ!
◆RS…605万円
◆RSアドバンスド…640万円
その差35万円。このクラスのクルマとしては無視してもいいが、装備の差を見ると、どうしても欲しいと思うものはなかった。よってRSで決定だ。総額約660万円! 頭金100万円入れて5年の残価設定ローンで、月々約6万円!
一方の中古マジェスタは、総額300万円程度。意外と金額の差は小さい……気もしてきた。
コメント
コメントの使い方レクサスLX600を買うか?
それともロードスターを買うか?
…と迷う人は、いなさそう…。
ネタに困って強引に書き足されたのでしょうかね…。