2022年1月の東京オートサロンでトヨタから出展された「GR GT3コンセプト」。その圧倒的なスタイリングに感嘆の声を上げた人も多いはず。GT3ということからレーシングカーのコンセプトモデルだと信じていたのだが、どうにも別路線で市販車(ロードカー)の設定がありそうとの情報が。
現状でベストカーWebが掴んでいる最新情報を分析しつつ、ニッポンが世界に誇るスーパースポーツの可能性についてお届けしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA Gazoo Racing
■GT3マシンは早ければ2023年に登場か?
伸びやかなノーズと巨大なウィング。レーシングカーらしいそのスタイリングで観衆の度肝を抜いたGR GT3コンセプト。当然ながら車両規格はFIA GT3を想定しているのは明らかで、サイドステップから出るマフラーや巨大なリアディフューザーなど純然たるレーシングカーとしてデビューすることが予想される。
トヨタが現在持っているレーシングカーはレクサスRC F GT3、そしてGRスープラGT4の2車種。GT3マシンについてはRC Fのみになるが、デビューは2015年とこれまでにアップデートはされているにしてもやや古くなっているのも事実。
そこでGR GT3がその後継として早ければ2023年、もしくは翌2024年頃には実戦投入される可能性は非常に高い。ただこのロングノーズからしてエンジンは最低でもV8と推測するのが自然だ。
現状最新にして最強のGT3マシンとしてBMW M4 GT3があるが、エンジンは直6の3Lターボ。それでもGR GT3のようなロングノーズではないのだが、そこはGRのなにかしらの秘策があるだろう。
またエンジンはRC F GT3の5.4LのV8自然吸気エンジンは一新される予定で、ターボエンジンの採用が濃厚とみられる。
■ロードカーで完成するGR GT3のコンセプト
レーシングカーの登場もワクワクするところだが、GT3マシンは原則として「市販車ベース」という鉄則がある。前述のRC FもBMW M4も市販されているロードカーがあり、その車種からのエンジン搭載位置などの変更は認められていない。
となると、GRとしてロードカーの設定も行われるのはよほどのことがない限り確実だ。さらに2022年のオートサロンでGR GT3コンセプトの出展時には、プレスリリースで「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりをさらに推進していく」と明らかにしている。
そこで疑問となるのがロードカーの心臓部。GT3マシンは市販車からのエンジンの変更なども基準を満たせば実施できるものの、GRとしてはGT3マシンと共通のエンジンを搭載するはずだ。
となるとやはりV8か、それともマツダが開発しているとされるガソリン直6エンジンなのか……。マツダのVISION COUPEのノーズの長さもどことなくGR GT3に似ているが、もしかするとマツダのRX-9は独自で直6を搭載するのかもしれない。
トヨタに関してはV8エンジンを採用した場合は、車角からしてレーシングカーがGR、市販車が次期レクサスLFAという可能性もある。なんにせよ今後の続報に期待してほしい。
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