バッテリー革命の旗艦といわれる全固体電池。小型軽量で高出力化と期待大! なのだが、超えるべきハードルはまだまだあり市販化されるまでには時間がかかりそうだ。
※本稿は2023年2月のものです
文/鈴木直也、国沢光弘、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年3月10日号
■関連ニュースが少なくなった気がしない?/鈴木直也
2021年9月、トヨタ開催の電池技術説明会で最高技術責任者(CTO)の前田昌彦氏は、「全個体電池の量産化は予想以上に難しい」とコメント。
研究開発費でも特許の取得件数でも、トヨタの電池に関する知見は世界最高レベル。そのトヨタの技術トップが「全固体電池は高出力化が期待できるが、現状では寿命が短い課題がある」と認め、「2020年代前半の実用化目標は死守するが、全固体電池の量産化はBEVではなくHEV用から始める」という。
あれから1年半。全固体電池関連のニュース、めっきり少なくなった気がしない? まだ時間がかかるからだろう。
(TEXT/鈴木直也)
■もう少し時間かかりそう/国沢光弘
結論から書くと10年くらいかかるんじゃないだろうか。全固体電池の面白さは急速充電性能が圧倒的に高いことなのだけれど、だったら現在50kWのチャデモの10倍となる500kW級の急速充電器(これだと6分で300km走れるくらい充電できる)が普及するかといえば、コストの点で相当厳しい。
加えて全固体電池は耐久性に課題を抱えており、もう少し時間かかりそう。むしろ当面は中国勢が得意とするリン酸鉄リチウムを使う流れになってきている。いや、全固体電池も中国のほうが先行。間もなく「半固体電池」搭載の電気自動車もできてきます。
(TEXT/国沢光弘)
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コメント
コメントの使い方全固体電池は失敗に終わった可能性がかなり高いから無理だろうね
2120年とかなら分からんけどまあ無理