新型車は注目度が高いが実際に乗ってみると煮詰めが足りなかったり、最悪の場合トラブルが起きることも。ここで注目すべきはモデル末期!! 悪く言えば終わりかけのクルマなのだが「完成形」とも呼べるのだ。ここでは代表的なGT-Rについて紹介していこう。
※本稿は2023年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年5月10日号
■新しければイイってモンじゃない!?
モデルチェンジしたばっかりのニューモデルや新規投入された新型車ってのは、いち早く納車されて乗っていると、人目も惹いて、たしかにちょっと優越感に浸ることができる。
例えば新型クラウンなんか、やっぱり街で見かけると“おっ!”って思ってしげしげと見てしまうし、フェアレディZなんかは新型車の魅力を満喫できる。
でも、新型車にはリスクがある。
昔ほどではないけれど、やっぱりモデルチェンジした直後のニューモデルはメーカーの開発時には見逃されていた不具合が潜んでいたり、不具合というほどのことではなくとも、ちょっとした使い勝手や乗り心地など、市場に出てユーザーの声が寄せられて気が付かされる「要改良点」などが浮き上がってくるものだ。
■あえて公表されないランニングチェンジもある
一般的にはモデルライフの折り返し点……ひと昔前であれば4年のモデルライフに対し「2年目のマイチェン」。
最近ではモデルライフが全体的に延びてきたこともあってマイナーチェンジまでの時間が2年半~3年となるケースも多いが、このマイチェンで内外装のフェイスリフトも含めた大掛かりな商品改良が実施されることが多い。
しかし、実際はこのマイチェンの時期に関係なく、メーカーでは常に商品改良を実施している。
最近では「イヤーモデル」として、毎年小規模の一部改良などを実施して、3年目のイヤーモデルを機に大改良(マイチェン)を実施、というメーカーも増えている。マツダやスバルなどはこのイヤーモデルを取り入れている。
さらに、こうした「イヤーモデル」や「マイナーチェンジ」、「一部改良」といったように、メーカーが改良点を公表する商品改良だけではなく、部品の精度をより高めたり、製造工場の治具の精度向上、組み付け精度の向上にかかる部品変更など、あえて公表はされない小改良、いわゆる「ランニングチェンジ」と呼ばれる改良は日々実施されているのであった。
これぞまさに「熟成」だ。
この熟成を繰り返した長寿車は、幾度にもわたるランニングチェンジ、一部改良、マイナーチェンジを繰り返すことで、まさに「完熟」の域に達していく。
R35GT-Rなどはその典型的な例で、モデル自体のデビューは2007年10月24日なので、すでに15年半が経過している。しかし、毎年のようにパフォーマンスアップの改良を繰り返し、つい先日も待望の「2024年モデル」が正式に発表されている。
GT-Rは今でも世界で圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、ポルシェなどのライバルに引けをとらない走りが味わえる。
エクステリアもインテリアもまったく古さを感じさせないのは15年前の基本設計、デザインが優れていたということはもちろんだが、「熟成」によるたゆまない進化の結果である。ロードスターやレクサスISなども完熟の魅力を味わえるクルマだ。
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