牛丼チェーン店で違法駐車車両に数百枚の張り紙をしたとして大きな騒ぎになっているが、実際問題のところ違法駐車については被害者が泣き寝入りする羽目になっている。なんでこんなことが起こるのか!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカー編集部
■最悪のケースは「器物損壊」になる
牛丼チェーン店での違法駐車についてネットが盛り上がっている。不法駐車された側としては「ふざけんな!!」という心情になるのも致し方ない。ただ私有地に違法駐車をされた場合の対処は慎重な対応が必要になっている。
言うまでもなく自動車は所有権が明確になっている財産。それが私有地に放置されたといっても、これは民事事件にしかならないことは覚えておきたい。となれば警察は民事不介入の原則があるので注意喚起くらいはしてくれることもあるが、実際の事件としてはどうしようもない。
徹底的に法的な対処をするならば民事訴訟でクルマの持ち主を相手取って訴訟まで発展させる方法が残されている。ただ訴訟ともなれば数日で答えが出るものではなく、現実的な選択肢としては選びにくい。
だからといって張り紙をし過ぎたり、クルマを物理的に動けない状態にするなどは器物破損の罪に問われる可能性がある。被害者だったはずが、気が付けば加害者になるなんてケースがあり得るのだ。
■結局は泣き寝入りしかないのか?
そうは言っても私有地に勝手に駐車されている以上は被害者なわけで、クルマの持ち主が現れるまで待つしかないというのはあまりにも不憫だ。
迷惑駐車車両については複数の可能性がある。例えば盗難車だった場合、放置している車両のナンバープレートを警察が照会すれば持ち主は判明するのだが、基本的にはナンバープレートは外されるし偽造プレートに挿げ替えられる。
その際ははボンネット内にあるコーションプレートの車台番号が必要になるが、放置車両に手を付けられない現状の法制度ではお手上げになってしまうのだ。最悪のケースでは完全に被害者は泣き寝入りするしかない。
また急病で戻れなくなった、故障で動かせなくなったなど不可抗力でクルマが迷惑駐車の状態になるケースもある(それであればひと言伝えるべきだが)。
どんなケースであれ、最終的には強制執行のように私有物を移動させる方法はある。ただあくまで私有物であるクルマを強制的に移動させるのは非常に線引きが難しい判断であり、多くの議論がなされないといけない。
自動車はきちんとした厳格なルールで安全、潤滑な交通秩序を維持している。これは迷惑駐車車両だからといって除外されるべき話ではなく、今後はなにかしらの法改正も含めて活発な議論が行われることを期待したい。
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