WILLER EXPRESSは、「圧倒的個室感」と「快適さ」を実現した高速バス「WILLER EXPRESS」のオリジナル新3列シート『DOME(ドーム)』を開発し、東京~名古屋線の夜行便で10月6日(金)より運行開始する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ドームのようなカノピーの「DOME」
新シート『DOME』は、1両につき26席のみ配置し、シェル型のパーテーションと大型のフード(カノピー)で実現した「圧倒的個室感」と、快適なシートや間接照明、移動中にスマートフォンで動画等が見やすいよう設置したスマホホルダーなどによる「快適さ」が特徴の3列シートだ。運賃上のカテゴリーとしては同社のリボーンの次のポジションになるようだ。
同社の3列シートは主要なもので3種類の座席タイプがある。それぞれの寸法により一長一短があるので、一概にリボーンに次ぐ座席と決めつけるのは早計だが、何を重視するかによりランクが決まりそうだ。
次節ではリボーン・ドーム・ラクシアの3タイプについて、スペックを比較する。
■スペック比較
まず夜行便で最も重視すると思われるリクライニングシートの角度だが上位から、リボーンの約155度・ラクシア約145度・ドーム約130度とリクライニング角度では及ばない。
次に体の大きい方が特に重視するのが座席幅だ。これは上位から、リボーン約59cm、ドーム約55cm、ラクシア約51.5cmとこちらは順位通りの並びになった。次に寝るときに重要なのが足を伸ばせるかどうかの指数であるシートピッチだ。
こちらはリボーンの158cmが圧倒的広さで、次いでラクシア116cm、ドーム108cmになっている。ちなみに東海道・山陽新幹線の最新型N700S系グリーン車のシートピッチがラクシアと同じ116cmなので、どのタイプでも足元は十分な広さであることがわかる。
■完全個室か個室風か?
その他の装備としてはレッグレストはすべてのタイプで装備、フットレストはラクシア以外で装備となっている。最近の夜行高速バスは完全個室型のシートも人気で、夜行列車が絶望的な現在においては一定の評価がある一方で、何といっても高い運賃がウィークポイントになっている。
運賃が新幹線とほぼ同額なので、選択に勇気がいるところ。これは個室にすると左右に1室の2列しか確保できないため、座席数が極端に少なくなりその分、運賃に反映されるので仕方がないところだ。
しかし個室ではなく限りなく個室の雰囲気を追求した3列シート車であれば、ある程度の座席数を確保したままプライバシーや自由度を確保できるので運賃は個室よりも格段に抑えることが可能だ。