かねてからウワサになっているYZF-R9は、一体いつ発売されるのかと待っているライダーも多いことだろう。新型MT-09の発売を経て2025年モデルとしてデビューすると予想される。
CG:宮窪伸治/月刊オートバイ
文/Webikeプラス
エンジンはユーロ5+(プラス)排ガス規制に対応
並列3気筒エンジンを搭載したMT-09をベースにスーパースポーツ化したモデルがYZF-R9で、前作のMT-07ベースのYZF-R7に続くモデルとして期待されている。Webikeプラスでも度々取り上げてきたが、これが2025年モデルとしてデビューすると予想される。
過去の記事では2023年、もしくは2024年モデルとして予想しており、後にずれているのは、MT-09のモデルチェンジとXSR900GPが優先されたため。ベースの新型MT-09は、ユーロ5+排ガス規制に対応しており、YZF-R9デビューに向けて状況が整ったと言えるだろう。
さらに新型MT-09は、5インチTFTカラーディスプレイを装備してナビアプリが表示可能になっている。スイッチボックスも十字スイッチやオートキャンセルウインカーを採用し利便性が向上しており、XSR900GP同様にこれらもYZF-R9へ受け継がれるだろう。
前作のYZF-R7はベースのMT-07に準じて電子制御がほぼ不採用だが、対照的にMT-09は姿勢角センサーを採用したスライドコントロールまで盛り込んだ本格派。最高出力は119PSを発揮しており、MT-09をベースとするYZF-R9は従来のYZF-R6に代わるモデルとして支持されそうだ。
YZF-R9 [予想CG] MT-09をベースにフルカウル化したYZF-R9を予想。MT-09はラムエアを採用しないので、ヘッドライトはM字ダクト内に設置される可能性が大きいだろう。
2023年に製作した予想CGなので、YZF-R1の25周年にちなんだカラーリングにしている。ウイングレットなどの最新エアロデバイスの採用にも期待したい。
新型MT-09欧州仕様 [YAMAHA] スタイルを刷新した2024年モデルは、分割シートとテールカウルを採用。リアまわりはスーパースポーツとしてそのまま使えるかも知れない。
YZF-R7 [YAMAHA] 並列2気筒73PSのスーパースポーツ入門機。約105万円の価格も魅力だ。
YZF-R6(2020年) [YAMAHA] R6の118.4PS/190kgと新型MT-09の119PS/193kgのスペックは近い。
2022年に国内でYZF-R7が発売された際の資料ではYZF-R15の発売を示唆していた。YZF-R6はレースベース車として継続しているので、YZF-R9はストリートもターゲットになるだろう。
充実のMT-09に加えてYZF-R9ならではの装備も期待
MT-09は、2021年型で排気量を従来845ccから888ccに43cc拡大したエンジンに合わせて、電子制御もアップデート。MT-09では初となる姿勢角センサー(IMU)を採用することでバイクの動きを検知し、トラクション/スライドコントロールやブレーキ制御に活用している。
フレームはCFアルミダイキャスト技術で最低肉厚1.7mmを実現し、剛性を高めながら2.7kg軽量化。また、ホイールはリム部の加工を見直して最小の厚さを3mm→2mmとし、前後で700g軽量化。回転部分の慣性モーメントを11%削減することで、より軽快なハンドリングを獲得した。
2024年モデルでは、利便性を高めた電子装備や排ガス規制に対応したエンジンを盛り込んでいるだけでなく、垂直式のブレンボ製マスターシリンダーや第3世代のクイックシフターを採用している。YZF-R9は、スーパースポーツならではの特別装備も期待したいところだ。
新型MT-09欧州仕様 [YAMAHA] 新作されたタンクはエッジを利かせた形状になりダクトは廃止。シートは前後セパレートタイプになっており、後席はキーで着脱可能だ。
エンジンは2021年型で3mmストロークアップし846ccから888ccに拡大。慣性マスをアップしながら1.7kg軽量化している。
2021年型で採用した新開発の「IMU」。YZF-R1に搭載されているものより50%の小型化と40%の軽量化を実現。
アルミダイキャストのフレームは、縦、横、ねじり剛性のバランスを調整し、横剛性は従来比で約50%アップ。
ホイールは新製法で製造された「SPINFORGED WHEEL」を採用し鍛造に匹敵する強度を確保する。
スマホと連携可能なメーターは5インチTFTディスプレイを採用し従来の3.5インチよりも拡大。4つのテーマで表示も可能だ。
新作のスイッチボックスは十字スイッチでスクロールできるのでセッティングも楽になる。クルーズコントロールも装備する。
垂直式のフロントブレーキマスターシリンダーはブレンボ製。リザーバータンクが透明タイプになっているのもポイントだ。
エンジンは並列3気筒のCP3エンジンを踏襲。ユーロ5+(プラス)は触媒の劣化検知が必要でセンサーが追加された。
加速中のシフトダウン、減速中のシフトアップもできるようになった第3世代クイックシフターを新たに装備した。
フロントはKYB製径41mm倒立フォークでプリロード、伸/圧側減衰力調整が可能。出荷時の設定を見直した。
タイヤはブリヂストンのS23を採用。一般向けには2024年2月発売予定の新作でエッジグリップを向上させている。
ライディングモードは「スポーツ」「ストリート」「レイン」と2つのカスタムモードを用意。スマホでの設定も可能だ。
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