元祖ミニバン王者といえば、じつは日産 エルグランド。今やアルファード/ヴェルファイアの独壇場というイメージだが、いつしか逆転してしまったのだ。一体どこでこんな差ができてしまったのか!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■あのトヨタがエルグランド超絶意識!! 超ソックリモデルも出してたぜ
1997年に登場した初代モデルで、高級ミニバンという今まで確立していなかったジャンルを開拓した日産エルグランド。
その人気ぶりはすさまじく、トヨタが同クラスに投入していたグランビアを急遽マイナーチェンジでエルグランド似のフロントフェイスに変更するほどだった。
そんな猛威を振るったエルグランド旋風も、トヨタが2002年5月にアルファードを投入すると下火に。
現在は2023年6月に登場した4代目アルファードが圧倒的な人気を誇る一方で、エルグランドは2010年8月に登場した3代目を改良しながら現在も販売するいう、ハッキリ明暗が分かれた状態となっている。
■全高の低さ!? 主戦場の違い!? 差が付いたワケは諸説アリ
エルグランドの勢いが失速した理由は諸説ある。
3代目でこだわっていたFRレイアウトを捨てたことや、FFになっても走行性能を重視した結果、全高が低くなって見た目の広さ感が失われたからというような意見がある。
しかし最も大きな違いは、どこを主戦場とするかである。
アルファードが日本専売車種として登場して国内のユーザーの心を鷲掴みにしたのに対し、後発の3代目エルグランドは北米市場向けのクエストと共有するなど、グローバルに展開しようとしていた点ではないだろうか。
ヤンキー御用達と揶揄されることもあるアルファードではあるが、高級セダンを好んでいたヤンチャなユーザーの憧れとなったことは間違いなく、その結果中古車としても価値の落ちないモデルとなった。
■残クレに海外需要アップでアルファードブランド強固に
残価設定ローンの残価率も圧倒的に高くなり、若い世代のユーザーでもちょっとした立派なコンパクト~ミドルクラスの車両と同額の支払額で購入できるようになった。
法人ユーザーなども手放すときにも価値が下がらないモデルとして積極的に選べるようになったというワケだ。
そして日本での人気ぶりが海を渡り、現在ではアジア圏でも販売されるモデルに成長しただけでなく、アルファードをベースとした最高級ミニバンであるレクサスLMが生まれるに至っている。
つまり、一つの成功が次の成功を生み、雪だるま式に評価を高めてきたのがアルファードというワケなのだ。
そうなると、エルグランドが完負け最も大きな原因は、「トヨタを本気にさせたから」ということになるかもしれない。
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