車の盗難や車上荒らしなどの被害は、年々減少傾向にあるものの、依然として発生しています。
プロの窃盗団が最新の機器を利用してセキュリティを突破し、盗みを働くケースも多く、あなたの愛車も、しっかりとした対策をしておく必要があるといえます。
愛車を守るカーセキュリティグッズは、様々なものが販売されており、ご自分の使用目的や愛車の保管状況に応じて選ぶ必要があります。
本稿では、愛車を守る「カーセキュリティグッズの選び方」について、「日本よりずっと泥棒の数が多い国、イタリア」に住んでいる筆者が解説いたします。
文:立花義人
写真: HONDA
車上荒らし対策には警戒、威嚇、通報機能付きのセキュリティを!
自宅から少し離れた駐車場に、車載オーディオや高価な後付けナビゲーションを取り付けた愛車や、また、高価な工具類を積んだままの仕事用の車などを保管されておられる方は、日々心配が尽きないことでしょう。
巷で安価に売られているカーセキュリティグッズの中には、通常モードでは光で警戒し、愛車に振動や衝撃が与えられるとセンサーが検知し、音や光によって威嚇する、というものが販売されています。
ただ、モノによっては、機器が誤作動を起こし、特に異常がないのに大音量でサイレンが鳴り響いて近所に迷惑をかけてしまう、といった事象が発生してしまうケースがあります。
車上荒らし対策には、できるだけ高精度のセンサー機能が備わっており、駐車状況に応じてセキュリティのレベルを変更したり、消音設定にできる機能があるものが良いでしょう。
異常を検知した際にリモコンに通知する機能を持つ製品を選べば、消音設定中でもユーザーは異常を知ることができますから、愛車をすぐに確認することが可能です。
リレーアタック対策にはスマートシステムの停止が可能なセキュリティグッズを!
長距離ドライブでの疲れや、カーブの連続する山道を走ると感じる疲れは、実は自分の体をシートに密着できていないのが原因です。
背キーをいちいち出し入れせずに、ドアロックの施錠/開錠やエンジン始動/停止ができる、便利な「スマートキー」搭載車が増える一方、「リレーアタック」と呼ばれる手法で愛車が盗まれる盗難事件が多発しています。
この「リレーアタック」とは、自宅の玄関先などに保管してあるスマートキーから発せられる微弱な電波を、特殊な機器を使って増幅し、離れたところに駐車してある車のドアを開錠してエンジンを始動、そのまま車を盗んでしまうという盗難手法です。
スマートキーが常に発する微弱な電波を遮断してしまえば、この手法は使えないため、よく紹介される対策としては、【1】リモコンをアルミ箔で覆ってしまう、【2】金属の箱に入れる、【3】電波を遮断するポーチに入れて持ち歩く、といった方法が挙げられます。
しかし、この方法では、キーを使用する度に、ポーチから取り出さねばならず、また、アルミ箔のわずかな隙間やケースの劣化によって電波が漏れ出てしまい、結局リレーアタックされてしまうという、問題点も指摘されており、完璧なセキュリティとはいえません。
より完全なセキュリティを目指すには「スマートキーの機能自体を一時的に無効にできる」という機能をもつグッズを選ぶといいでしょう。
泥棒達はリレーアタックをしようにも、エンジンを始動するどころか、ドアを開けることすらできません。
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